なせばなる!想いをつなぎ新しい時代をつくろう!【第38回青年経営者全国交流会(青全交)】

 9月9~10日に山形市で開催された青年経営者全国交流会(青全交)には、全国から790名が参加しました(9月25日号既報)。

 本特集では山形県知事の来賓あいさつ、全体のまとめ(2面)、第5、6、11分科会の感想(3面)、記念講演(2回にわけて連載)などを紹介します。詳細は、11月上旬に発行予定の報告集をご覧ください。

来賓あいさつ~山形県知事 吉村美栄子氏

山形県知事

 山形にようこそおいでくださいました。第38回青年経営者全国交流会が本県で開催されますことに深く感謝を申し上げますとともに、県民を代表して心から歓迎申し上げます。

 中小企業家同友会の皆様におかれましては、経営者として相互に資質を高め、実践を通じて成長することによって企業の経営を守り安定させることを目指されるとともに、国民や地域とともに歩む中小企業として雇用の創造および個性ある地域づくりにおいてもご尽力されていることに対し、深く敬意を表するしだいです。

 わが国経済は、持ち直しの動きが見えてきているとは言うものの、なお依然として厳しい状況にあります。特に地方においては回復の足取りは重いものがあります。本県においても、景気・雇用対策をもっとも重要かつ緊急の課題と捉え、県の制度資金の融資枠を過去最大規模にするなど中小企業者の資金需要に的確に対応するとともに、2カ年で2万人の雇用創出を目指す山形県雇用安心プロジェクトを進めているところです。

 こうした時代だからこそ、皆様のような活動が必要であり、重要なものであると考えております。このたびの交流会が皆様にとって実り多きものとなり、厳しい景況の中、皆様が引き続き地域経済の牽引役としていっそうご活躍されることをご期待申し上げます。

全体のまとめ~中同協幹事長 広浜泰久氏

広浜幹事長

 2日間の学びお疲れ様でした。設営をご担当いただきました山形同友会の皆様のご尽力に心から感謝したいと思います。2日間の学びを3つにまとめてみました。

 まずは企業づくりです。記念講演で佐藤社長からブランディングのお話がありましたように、「山形だからできる」「自分たちだからできる」「自分たちの中に可能性を見つけていく」ということを、それぞれの会社の中でどこまで追求できるかが重要であると思いました。

 それと同時に、ひとりひとりの社員にはいろいろな可能性があり、素晴らしいものがあります。それをどれだけ発揮できる環境をつくることができるか。それが経営者として目指さなければならない方向ではないか、と改めて感じました。

 2番目が地域づくりです。中小企業憲章が閣議決定されました。中小企業の役割とその重要性について、ただ単に経済のことだけではなくて、日本の社会を支えているのが中小企業であるということが、ここには書かれています。これは画期的なことですが、憲章ができたからそうなるというものではありません。われわれ自身がそういう社会を作っていく主体者として活躍しなければいけません。特にこの中小企業憲章を以前から提唱してきた中小企業家同友会の会員は、その自覚と誇りを持って進んでいかなければならないと感じます。

 それぞれがおかれているポジションの中で、「自分たちだからできる」ということをつくっていくことが、直接的、間接的に、地域づくりの本当の力になっていくのではないかと思います。

 3つ目は組織づくりです。青年経営者の皆さんは、二十代、三十代の時から勉強して実践していくと、実践する期間が大変長いわけですから、ものすごい可能性があるわけです。それを自分だけのものにしておいていいはずはありません。周りの経営者にぜひ声をかけていただき、同友会で学び実践するという人を増やしていきましょう。そういう人が増えていかないと、世の中はよくなっていかないということを強く感じます。ぜひ、全ての同友会に青年部・青年同友会を作っていただき、地域に責任の持てる同友会をつくっていきましょう。

「中小企業家しんぶん」 2010年 10月 5日号より