付加価値の高い仕事づくりへ

【社員とともにめざす企業像へ変革を~企業変革支援プログラム ステップ2】〈25・最終回〉

社内の仕組みがないと書けないステップ2

 「社員とともにめざす企業像へ変革を」と題した「企業変革支援プログラムステップ2」は2012年3月に発刊されました。

 本シリーズの連載を手がけた中同協経営労働委員会企業変革支援プログラム検討プロジェクトの同友会会員・事務局の手で起草され、試験運用をへて、5年をかけて完成したものです。

 外部の方からは「このような経営者に寄り添った気づきのプログラムは、億の金をかけても、作成することはできない」と高く評価される一方で、「ステップ2が書けないのは、自社に仕組みがないから。その自覚をもとに経営指針実践のために活用しよう」と呼びかけられています。

 「同友会のグループ討論でも、お互いに学んだことがどこまで実践できているか、よくわからない」「どうしたら強じんな経営体質になっていくのか、そのステップアップの道筋が見えない」

 これらの会員皆さんの声は、経営指針成文化運動が全国に広がり、指針の企業内実践が求められる中で、さらに強くなってきました。

 また、同友会景況調査報告オプション調査(2012年)では、「経営理念を作成し社外公開した」と「経営計画を作成し毎月到達点を確認している」企業のみ、業況水準がプラスになっています。社員と共に理念を共有して発信し、毎月の計画に組み込んで実践しその進捗状況を確認している企業の業績が上がっていることが明らかになりました。

めざす企業になるために

 「企業変革支援プログラムステップ1」で、まず自社の課題をあぶりだし、成熟度レベルの低い項目や強化したい項目について、「企業変革支援プログラムステップ2」で、再度自社の現状を把握し、経営指針の見直しに役立てることができます。

 経営者だけでなく、社員とともに自社をどのように変革していくか、たとえば「Ⅲ―(2)共に学び共に育ちあう社風づくり」では、「自由に発言できる社風になっていると社員が言っていますか」「委譲する権限は明確になっていますか」など具体的な仕組みを問いかけ、社員と共に考えることを要求しています。

 同友会ではプログラムの各項目を例会テーマにして、具体的に経験交流するため、当該項目を記入し、お互いの実践を交流し学びあう例会も期待されています。

 同友会の企業づくりの英知を集めて作られた本プログラムを同友会や自社で活用し、今どのような時代なのか「時代認識」を高め、付加価値の高い仕事づくりに挑戦し、その輪を広げていきましょう。

中同協事務局長 平田美穂中同協企業変革支援プログラム検討プロジェクト委員

「中小企業家しんぶん」 2013年 6月 15日号より