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第1回 バイオマスタウン真庭~木を使い切る取り組み~

 『里山資本主義』(藻谷浩介著)でも紹介された岡山県真庭市のバイオマスタウンの取り組みに注目が集まっています。今回愛知県中小企業研究財団の視察に参加し実際に取り組まれている様子を見学しました。真庭市の実践について連載します。

 真庭市バイオマスタウンの特徴は、地域資源である「木」を使い尽くすことにあります。木質バイオマスを活用し、雇用と地域再生とエネルギーの分散化を考え、それを地元企業と自治体、そして地域が協力して作り出すエネルギーの自治化を目指す取り組みです。

バイオマスタウンへの歴史

 真庭市では1993年に高速道路が建設され、都市に産業が吸い取られてしまうという危機感から若手経営者による勉強会「21世紀の真庭塾」が立ち上がり、「ゼロエミッション」の勉強を始めました。その後、企業の取り組みをベースにした「木質資源活用産業クラスター構想」を発表、これを契機に市も積極的にかかわるようになりました。そして真庭市と9町村が合併したことを機にバイオマスタウン構想を打ち出し、2006年にバイオマスタウンとして認定されています。地域再生に向けて企業と行政が共に推進していったことに真庭市の強みがあります。

 真庭市では子どものころから地域を意識づけるために小中学校へのバイオマスに関する出前授業や体験学習をすすめています。その他にも一般向け、企業向けのバイオマスエネルギー施設ツアーが展開されています。ペレットボイラーやストーブに補助金の支給を行うなど、バイオマス地域循環の考え方を住民にまで広がるよう工夫しています。

真庭市の取り組み

 山の近くにバイオマス集積基地を建設し、木質チップを製造。木質チップはペレットボイラー・ストーブなど企業・家庭で活用されています。集積基地からは木質チップを年間1000トン出荷、地域のバイオマス利用量は4万3000トンにもなります。バイオマスエネルギーの活用とは主にこうした熱利用のことを指します。

 さらに、木質バイオマス発電設備として官民9団体が協力して真庭バイオマス(株)の設立を検討しています。出力は1万キロワット、必要な木質チップは山元、森林組合、木材事業協同組合など多くの関係者が連携しつくりだす「地域ぐるみの発電」を考えています。

「木」を使い尽くす

 木質系廃材(11万8000トン)や未利用バイオマス(7万6875トン)を流通により循環させ、資材を森から調達し利益を森に返すサイクルづくりが整備されています。今後はバイオマスとエネルギーの観点だけでなく、「木」を使い尽くすための、木質での新たな製品づくりや付加価値のある新産業を産学官で行うことなどを考えていました。

 真庭市は地域疲弊への危機感からバイオマスに取り組みました。今後、高齢社会になり地域の人口が減ることを考え、バイオマスタウンという地域展開から地域内でお金を回せる仕組みづくりが広がっていました。

(松)

「中小企業家しんぶん」 2014年 6月 15日号より

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