地元三重大学と企業防災・BCP策定セミナーを共催【三重】

不測の事態での事業継続を考える

近年、東日本大震災をはじめゲリラ豪雨や台風の巨大化による災害の教訓から企業防災の重要性の認識とBCP(事業継続計画:BusinessContinuityPlan)への関心が高まってきています。

三重同友会では地元の三重大学と共同し、9月12日よりこれらの不測の事態に、企業が事業継続を図るため、その方針や手続きを示したBCPの策定セミナー(全6回)を、会員を中心に11社18名の参加のもとスタートしました。

地域との関係性を深める機会に

三重同友会

このセミナーは、全6回のセミナーを通じて参加企業ごとのBCP策定作業を支援する三重大学独自の企画で、これまでに50社以上が参加し、成果を上げています。

 第1回セミナーの冒頭では、主催者である服部一彌三重同友会代表理事より「BCPは企業間取引においても求められ始めており、企業が採用を行なう上でも人財に対する企業姿勢を計る物差しともなる」とあいさつ。また伊藤幸生三重大学社会連携特任教授は「BCPには社会貢献、地域貢献の観点も含まれており、企業と地域の関係性を深める機会につながる。昨今の異常気象による災害は身近に起こり得る問題である」とあいさつしました。

自社の見直しと体質強化につながる

 第1回目となる今回は、「リスクマネジメントと危機管理」をテーマに、災害時におけるリスクマネジメント及び基本方針の考え方について青木雅生三重大学准教授が講義しました。

 青木准教授は、中小企業のリスクマネジメントは中小企業経営そのものであり、BCPの作成を通じて自社の見直しと体質強化につながることを指摘しました。またマニュアルを理解し有事の際の対応力を磨くことは、自立型社員の育成につながり、地域や取引先との協力関係を築くことは社会から期待される企業づくりになると、策定の意義を述べました。

 その後は「現状とあるべき姿」について参加者でグループ討論が行われ、各社の現状と企業の基本姿勢について意見が交わされ、「企業は社員がいてこそ成り立っている。そのため社員とその家族を含めた人命が第1である」ことが確認されました。

 今後毎月1回のペースで開催され、来年2月の最終回では参加企業それぞれの成果発表会を行なう予定です。

「中小企業家しんぶん」 2014年 10月 5日号より