【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】45
数多くの悩み
山形同友会では、これまで「労使見解」の読み合わせや経営指針づくりを丁寧にやっているものの、「業績が改善されない」「社員共育(教育)が進まない」などの悩みが数多く出されていました。
そこで、経営課題に本気で向きあい、企業変革支援プログラムステップ1(以下「ステップ1」)を活用し、時代に適応した取り組みを方針として掲げてきました。
第1に、全支部例会を「ステップ1」のカテゴリーで組み立て、学びのポイント、グループ討論テーマを明確にしました。毎回、「コミュニケーションが大切」「任せることが大事」など表面的なまとめで終わっていたのが、改善できる実践課題を追求できるようになりました。
第2に、社員共育委員会で2年前から活用している点です。新入社員研修をはじめ、幹部社員研修など年5回研修を主催し、運営論になりがちな委員会を、どんな会社をめざすのか、何が課題なのかなど、学びと実践に集中しました。
1年目は、「労使見解」の理解促進と実践を目標に、「ステップ1」を使い「自社がどのような状態で、立ち位置はどこなのか」を確認し、経営課題を明らかにして解決に努め、中小企業経営のあり方を具体化してきました。
2年目は、事例報告や実践例を出し合い、改善への糸口がつかめる活動へとつながっています。成熟度レベルよりも、なぜ、そういう状況になっているのか、本気で語りあいました。
出されるのは「社員の気持ちがつかめない」「幹部が現場に追われ部下の育成ができない」「清掃を提案しても受け入れられない」など身近で切実な課題だらけです。
それらに対して「それが本当の経営課題なのか」との問いかけがあり、「営業戦略がまちがっていないか」「意見を出せる仕組みはあるか」「本気で向きあっていないのでは」などの意見も出されます。そして実情をどう打破していくのか、各委員が自社のこととして考えます。委員同士の関わり合いの深さが、実践を確認しあえる関係性を新たに生みだしている点もこの2年間の成果です。
本物の経営者に
昨年11月に開催された第12回経営研究集会では、分科会の報告者をだし、経営者も社員も成長していることに感動を共有しました。「Sさん、職人から親方、親方から本物の経営者に変わった」と。
「ステップ1」は山形同友会内で277冊購入され、企業内で活用している事例もあり、課題は、e.doyuの本登録今年度目標の100社を達成することです。
「中小企業家しんぶん」 2015年 1月 15日号より