景況調査を経営発展に生かそう【愛媛】

愛媛大学と合同で景況調査シンポジウム開催

愛媛同友会

 2月4日、愛媛同友会は愛媛大学総合地域政策研究会と合同で景況シンポジウム「全国と愛媛、大企業と中小企業の景況」を開催し、約40人が景況調査の経営への生かし方などを学びあいました。毎年開催しており今年が4回目です。

 日銀松山支店、愛媛大学、中同協の3者がそれぞれ行っている景況調査の特徴や意義について報告しました。

 日銀松山支店の梶谷嘉孝総務課長は、企業短期経済観測調査(短観)について、きめ細かい対応で高い回答率と速報性を実現していることを紹介し、直近の県内の業況判断DIは1992年の水準に戻り、景気回復の動きが続いていると報告しました。

 中同協の中平智之主任事務局員は、同友会景況調査(DOR)について、経営の自己点検運動として25年間続けており、企業づくりと対外広報に重要な役割を果たしていること、景気先行きの不透明感が強まる中、人材確保と社員教育に注力した経営がますます重要になっていると指摘しました。

 愛媛大学総合地域政策研究会の曽我亘由教授は、愛媛同友会と実施している景況調査(EDOR)を年3回つづけて51回にのぼることを紹介、最近の「雇用・採用」特別調査では学生と経営者双方に設問して、学生が求める雇用条件について、中小企業の経営者がどのような認識を持っているか調査するなど、経営に生かせる内容を展開していることを報告しました。

 2017年に日銀金融緩和政策から出口戦略が始まる可能性があり、同時に消費税10%に引き上げられるほか、団塊世代の経営者が70歳代に入り事業承継問題が本格化する、「2017年問題」が議論になり、中平氏は、過去の円安や消費増税が中小企業に与えた影響をデータで紹介し、経営指針に基づく企業づくりと中小企業憲章・中小企業振興基本条例の推進がカギになると強調しました。

 愛媛同友会の桑波田建EDOR委員長は「景況調査で経営を自己点検し“良い経営者”になる力を磨きましょう。そして会としての発信力を高めましょう」と締めくくりました。

「中小企業家しんぶん」 2016年 3月 5日号より