高齢化社会

 2014年度末の年金加入者6,714万人で受給者6,988万人が上回るとの記事があり、調べてみました。2014年度末の国民年金納付率は63.1%ですが、低所得などによる保険料の免除・猶予を含め被保険者全体で実際に納付された割合は40.6%で4,737万人となります。実際の重複除く年金受給者は2013年度で3,950万人。65歳以上人口3,395万人と60歳から受給する550万人で3,945万人に近い数字になります。2000年から年金加入者は減少傾向にある中、受給者は14年で1,133万人と39.6%増えています(表)。

 そこで今後の見通しを考えます。平均寿命は1990年から2015年で年平均0.2歳の伸び。2035年では女性が91.09歳、男性84.88歳になることが予想されます。2015年国勢調査では65歳以上人口が3,342万人の26.7%、労働力人口は6,075万人です。国立人口問題研究所では2035年に65歳以上人口は3,758万人で33.6%、労働人口6,315万人56.4%、14歳以下1,125万人で10.0%と予測しています。2015年から2035年までの14歳以下の人口減少率は1,594万人から1,125万人と30%減(年1.485%減)と予想、さらに非正規労働者の増加は「1984年15.3%から2015年37.5%」ですので年金未納者は増える予想です。

 以上から2035年には払う人が4,300万人、もらう人が4,250万人と1人が1人の年金を支える時代が予想されます。これでは厚生年金保険料を2016年17.828%から30%近くまで上げなくてはならないので、減額をせざるを得ません。さらに高齢者の介護割合は、「2014年度介護給付費4.6%増8兆9,005億円、介護必要3.8%増606万人に。65歳以上の高齢者の17.9%」ですから元気な高齢者が82%といえます。20年後の2035年の企業課題でもあります。子宝率でも触れましたが、社員の子どもの数が2人以上の少子化対応の職場づくりとあわせて、介護費用の増加を抑えるように80%の元気な高齢者が年金が減っても元気でいられるような働ける場づくりの必要性が見えるデータです。

表 年金加入者と受給者(万人)

「中小企業家しんぶん」 2016年 8月 25日号より