高知同友会30周年記念例会~澤浦・群馬代表理事を招き企業づくり・地域づくりを学ぶ

 10月20日、高知同友会は創立30周年記念例会を行い、中同協四国ブロックから山城真一・中同協副会長・徳島同友会代表理事、平野啓三・愛媛同友会代表理事、川北哲・香川同友会代表理事の参加もあり、80名で開催しました。

高知同友会30周年記念例会

 記念講演として「全ての人の幸せにつながる感動農業をめざして」をテーマに、グリンリーフ(株)/(株)野菜くらぶ代表取締役、群馬同友会代表理事の澤浦彰治氏を招き、講演がありました。

 澤浦氏の講演に至るきっかけは、銀座のバーで「おいしいグアバが入っています」と勧められ、偶然生産者の西川きよ氏((有)アフロディア代表取締役社長、高知同友会会員)に出会ったことです。澤浦氏は「同じ気持ちを持った人たちがつながっていくのだと思います。1994年に入会して、さまざまな企業を模倣して今があります。農業は農業だけでは語れません」と話しました。

 澤浦氏は父親の代に地主から農業へと転換を行い、1973年のオイルショックでは環境変化で大きな借金を抱え、野菜の相場や価格の変動に振り回されました。それ以降、自らで値段を決めることのできるこんにゃくの製造・加工に取り組み、機械や道具がないため手作りなどで対応してきました。消費者がいて初めて成り立つ農業を実感し、経営としての農業を考えていきます。その中で、大事な点は(1)共感できること、(2)お金はオープンにすること、(3)創業の思いで意思決定をすることと語りました。

 澤浦氏は「私たちは『感動農業』を掲げ、食べる人がおいしいと感じてくれると同時に、働く人が夢を持つことが大事と思っています。今は田舎の土地を借りて、お金は都会へ持っていく流れがあります。地域が豊かになるためには外貨を地域へ持ってくる仕組みが必要です。トマトの周年栽培を実現する顧客と協働での新会社の設立、有機・無添加漬物づくりをきっかけとした有機JAS認定とISO22000の取得、化石燃料に頼らないバイオマスボイラーやメガソーラーの建設など、安全性、付加価値、生産性を高め、次世代につながる農業、新たな地産地消をめざしていきます」とまとめました。

 人づくりや法人化、エネルギーシフトといった課題への取り組みや感じた時に行動する実践力など、参加者にさまざまな学びと感動を与えた有意義な記念例会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2016年 11月 15日号より