地域金融機関とパートナーの関係で~県内8信用金庫と覚書締結【福岡】

 福岡同友会は県内8信用金庫(福岡ひびき・遠賀・飯塚・田川・福岡・筑後・大川・大牟田柳川)と「中小企業等支援に関する覚書」を締結しました。10月20日行われた調印式には、8信用金庫すべてから理事長や役員が、福岡同友会からは中山英敬・田浦通・樋口康治代表理事が参加しました。

 11月2日には、今回の提携を記念した行事を開催。県内8信用金庫をはじめ佐賀や長崎の信用金庫、同友会、そのほか福岡財務支局、九州経済産業局、福岡県商工部、福岡県信用保証協会から総勢100名の参加がありました。

 はじめに、福岡県信用金庫協会の野村廣美会長は、「信用金庫と同友会の理念は共通、今回の提携を実のあるものにしていきたい」とあいさつ。つづいて田浦代表理事は「自分の経営体験を振り返っても中小企業にとって地域金融機関は重要なパートナーである。今回を契機としてさらにつよい関係をつくりあげたい」とのべました。

 基調講演では、金融庁総務企画局地域金融企画室長の日下智晴氏が、新たな金融行政方針をベースにして、1990年代の金融危機からリレーションシップバンキング機能強化にいたる経過の中で、金融機関の融資形態が長期融資にシフトしていった背景と現れた問題を指摘。本来の金融機関の機能は、経営者が語る経営への思いを受け止め、バランスシートにおける資金運用や調達に関して一緒に考え、力を発揮することだと提起しました。

 また、今回の金融方針で実際に行うことは、リレーションシップバンキング機能強化と共通だが、その時点ではやはり金融機関の健全性を守るという点が強かったのに対比して、今回は、「国民の厚生の増大」という究極の目的に変わった点が大きいと結びました。

 その後は、福岡大学の合力知工教授をコーディネーターに、幸田正彦・福岡ひびき信用金庫常務理事、新内一秋・福岡同友会副代表理事、日下氏で、「新しい金融方針と中小企業~企業づくり・地域づくり」をテーマにパネルディスカッション。さらに、地域ごとでの意見交換、懇親交流会と熱く語りあい、充実した1日となりました。

 最後に、中山代表理事は「業務提携を名前だけに終わらせず、各地域でしっかり課題に向きあい、行動を起こし、小さな成果を積み上げて大きな実りをつくっていきたい」とまとめ閉会しました。

福岡同友会県内8信用金庫と覚書締結

「中小企業家しんぶん」 2016年 12月 5日号より