中小企業と地域金融機関の新たな関係づくり~沖縄海邦銀行と包括連携協定を締結~【沖縄】

沖縄同友会

 沖縄同友会は10月18日に県内地銀の沖縄海邦銀行と包括連携協定を締結しました。その後、12月8日には記念シンポジウム&交流会を海邦銀行本店で開催。同友会会員や海邦銀行の全支店長を含む143名が参加しました。

 シンポジウムは初めに、中山英敬福岡同友会代表理事((株)ヒューマンライフ代表取締役)と海邦銀行の公家秀男取締役が基調講演。中山氏は「経営者は経営指針を軸に、強い財務体質、人を大切にする企業づくりに努めること。銀行マンは現場を回り、経営者の人間力を見抜く力を養ってほしい」と訴えました。公家氏は、「金利で逃げない顧客」になってもらうことの重要性を強調。「今回の協定をきっかけに、各支店長は同友会の勉強会に出向くなどして、積極的に地域の経営者と対話してほしい」と訴えました。

 基調講演の2名と、海邦銀行の兼城賢雄常務、小渡玠・沖縄同友会代表理事((株)okicom代表取締役)、沖縄県よろず支援拠点の上地哲氏の5名がパネリスト、沖縄同友会会員で海邦銀行の社外取締役でもある比嘉梨香氏がコーディネーターを務めたパネルディスカッションでは、「中小企業と地域金融機関の新たな関係づくり」をテーマに、今後の展開や課題などについて活発な意見が交わされました。

 小渡氏から「貸し手と借り手という関係性上、銀行は怖いというのが経営者の本音。交流を重ね、銀行の敷居を下げていきましょう」との提案が出されるなど、行政の機能も活用しながら、互いの距離感をどのように縮めていくかが議論の焦点となりました。また、急きょ発言を求められた海邦銀行の上地英由頭取は「同友会から提言を受け、『スピーディーな融資』を実行するための仕組みを構築中。期待してほしい」とコメント。会場からは歓声とともに大きな拍手が巻き起こりました。

 交流会は、同友会の支部ごとに並べられたテーブルに、各地域を所管する全支店長が揃いました。シンポジウムの感想から具体的な融資の相談など、話は尽きず、中締めのあいさつが終わっても退席者がいないほどの盛況ぶりで、今後の展開に大いに期待が持てるキックオフイベントとなりました。

「中小企業家しんぶん」 2017年 1月 25日号より