「共に働き、暮らす」をあたりまえに~障がい者の雇用環境フォーラム【大分】

 2月21日、大分同友会はホルトホール大分で「障がい者と共に働き、暮らすことがあたりまえの地域・経済をめざして」をテーマに第2回障がい者の雇用環境フォーラムを開催しました。支援学校、行政、就労支援施設などの関係者を含め103名が参加しました。

 大分同友会障がい者問題委員会では、障がい者の就労支援に関する意見交換会などを通して、障がい者の職場実習の受け入れや雇用の促進に向けて取り組んできました。より多くの人と連携を深めるため、隔年でフォーラムを開催しています。

 基調講演では雫石弘文氏(大分県立新生支援学校前校長)が「障がいがある子どもの教育に携わった37年間の思いと私からのメッセージ~彼らからもらった宝物」をテーマに講演。

 雫石氏は「肯定的に生きる」ことをモットーに、これまでさまざまな障がいのある人との出会いを通して、共に生きる中で多くのことを学んだことや、彼らとともに生きるコツについてエピソードを交え講演しました。

 その後、2つの分科会で学びを深めました。第1分科会では、武内竜一郎氏((株)中津レンタリース代表取締役)が「実習生がここで働きたいと思える会社づくり~個性を見い出し個性を生かす『共育』の実践をめざす」をテーマに報告しました。

 障がい者の職場実習の受け入れはボランティアではなく社員教育が試される場であること、自社のできていないことが見えてきたことなど、実習を通しての多くの気づきについて話しました。

 第2分科会では、実際に雇用につながった事例として、寺司志保美氏((株)環境整備産業専務取締役)が「仕事の細分化で雇用を生み出す~工夫次第でなんとかなる!」をテーマに報告しました。

 寺司氏は支援学校を見学した際、「工夫すれば総務の仕事もできるのではないか」と思うようになりました。その後、実際に支援学校から生徒の実習を受け入れ、雇用に至りました。「雇用が目的ではなく、特性を生かし、能力を最大限発揮してもらうことが大切です」と訴えました。さまざまな立場の人と意見を交わす中で、まずはお互いを「知る」ことが大切であることが確認されました。

「中小企業家しんぶん」 2017年 4月 15日号より