県内大学・高校を中心に45校の就職担当者と情報交換会【三重】

 三重同友会人財委員会では、2016年から県内大学・高校の就職交換会を実施しています。これまでは1校ずつの大学訪問を行っていましたが、企業と学校が一堂に会しながら互いの現状と課題を交流できる場を作りました。企業としては自社のアピールの場となり、学校の就職担当者としてはこれまであまり接点のなかった中小企業を知る機会となっています。

 6月26日には「三重同友会と就職担当者との情報交換会」を開催し、大学・短大・高専14校、高校31校、企業43社が参加しました。

 第1部では、中村憲和・一般社団法人わくわくスイッチ代表理事(三重同友会会員)が「若手社員定着のために」をテーマに、若手社員の仕事に対する価値観、若手社員を定着させるための取り組み・対策について報告しました。中村氏は豊富なデータ分析をもとに、「若手社員の定着のためには『承認欲求』や『成長欲求』を満たすこと、また『定着支援』よりも『活躍支援』を行うことが重要だ」と述べました。経営者と社員との距離が近い中小企業にとっては、若手社員の「認められたい」「成長したい」という思いを日々のかかわりの中でいかにつかみ、その思いを満たすため、いかなる活躍の場や機会をつくり出していくかが今後の重要課題と提起した報告となりました。

 第2部では、参加企業と大学・高校の就職担当者とが名刺交換や学生の就職状況などについての情報交換を行いました。

 企業側の参加者からは「今まで付きあいのない学校と情報交換できた」、学校側からは「具体的な人材ニーズを聞かせてもらった」「企業と学校で地域社会に貢献できる人材を育てたい」などの感想がありました。

 中小企業にとって、新卒採用には大きな覚悟と責任を要しますが、新卒採用に踏み出したことで会社は変わるという思いで情報交換会を続けています。当初20校程度であった本企画も学校、企業の参加者はともに増加傾向にあり、企業と高校・大学の採用窓口とが直接面談できる機会を設けることで新卒採用の第一歩を踏み出すきっかけとなっています。本企画を通して、実際に採用に結びついた企業もあります。

 三重同友会では今度も教育機関とともに地域の豊かな人材を育てていく企画を行う予定です。

「中小企業家しんぶん」 2018年 9月 5日号より