宮崎県産農産物に付加価値をつけ全国そして世界に【宮崎】

 宮崎県は全国でも有数の農業県ですが、食品加工業は全国ワースト2位。宮崎県農産物に付加価値をつけて地域に貢献するとともに、全国・世界へ発信しようと取り組む2社を紹介します。

宮崎県産黒にんにくを加工し海外展開

(株)MOMIKI(籾木真一郎社長、宮崎同友会会員)は、新事業として2007年に食品事業部を設立し、「黒にんにく」の加工販売に取り組んでいます。そのにんにくはグループ会社の農業生産法人エムファームランドで栽培をし、生産から加工と一貫した体制を整えています。

同社が栽培するにんにくは、宮崎の太陽の光をたっぷりと浴び豊かな土壌で育てています。その栄養たっぷりの自社栽培のにんにくを中心に使用し、宮崎市佐土原町の工場で独自の熟成方法で自然発酵させ、黒にんにくへと進化させていきます。

主力商品はその黒にんにくをそのまま食べる「くろまる」。そのほかにも、黒にんにくのコクを生かした無添加の加工品を開発し、その種類は20アイテムにもなります。その1つの「黒にんにくうまみたれ」は、2015年に国際味覚審査機構の優秀味覚賞を受賞し、ミラノ国際博覧会2015にも出展し来場者から高い評価を得ました。それをきっかけとして海外展開にも力を入れ、海外の取引先は台湾・香港・シンガポール・アメリカ・オーストラリア・ドイツ・ベルギーに広がっており、ミシュランの星がついているレストランなどで使われています。

宮崎県特産のゴボウのお菓子「ゴボチ」で地域貢献

(株)デイリーマーム(和田絵里香取締役営業本部長、宮崎同友会会員)は、食物繊維たっぷりの国産ごぼうを無添加で手づくりをしている「ゴボチ」の製造販売をしています。宮崎は全国の中でも有数のゴボウの産地で、地元のもので宮崎の新たな加工品として何かができないかと商品開発を続け、お弁当屋でお惣菜として発売したのが「ゴボチ」のはじまり。「ゴボチ」は発売開始から2年で50万袋販売突破し、2017年に優良ふるさと食品中央コンクール国産農林水産品利用部門で、農林水産大臣賞を受賞。ゴボチはヘルシーで安心なお菓子として、ますます人気が上昇しています。

また同社は2017年12月宮崎県高鍋町に町内初の農畜産物や加工食品販売所、飲食ブースやテナントがそろえる『ママンマルシェTAKANABE』をオープン。「ゴボチ」の製造工場も兼ねています。『ママンマルシェTAKANABE』には、高鍋産や宮崎県産を中心とした野菜・果実・生花などを季節に合わせた商品が並んでいます。また安全・安心・美味(無添加) をテーマに、宮崎県産を中心に選りすぐった食材や加工食品を集めて販売。全国から厳選した調味料やグロッサリー商品なども提供しています。飲食ブースの「ゴボチテラス」には野菜レストランのほか、惣菜やお弁当が並び、有名な高鍋町の餃子のテナントもあります。

「中小企業家しんぶん」 2018年 10月 5日号より