キャッシュレス社会

 経済産業省は2018年4月に「キャッシュレス・ビジョン」を策定しました。キャッシュレスは「物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用しなくても活動できる状態」とされ、クレジットカード、電子マネー、スマホ決済などがあげられます。

 日本のキャッシュレス決済の状況は2015年で18.45%、2018年現在でも2割程度といわれています(表)。ドイツは日本より低く14.9%となっています。一方でキャッシュレス決済が高いのは韓国で89.1%、中国も60%となっており、カナダやイギリスなどの先進国でも4割から5割程度となっています。

 経済産業省は「キャッシュレス・ビジョン」において、現在は20%程度のキャッシュレス決済比率を、2025年までに40%程度に引き上げることをめざすという「支払い方改革宣言」を発表しました。今後、世界各国で進んでいるキャッシュレス社会に向けた取り組みが、日本でも進められることになります。

 経済産業省のウェブサイト METI journalでは、「現金が消えた国、スウェーデン」を特集しています。スウェーデンでは冬場の現金輸送の困難さや人手不足、強盗事件などの犯罪対策などでキャッシュレスを推進してきました。デビットカードへの移行、公共交通機関での現金取り扱い禁止、金融機関でも現金を取り扱わない店舗が導入され、ATMも撤去。「CASH FREE(現金拒否)」や「NO CASH」を掲げる店舗が出てきているほどです。日本ではまだまだ現金が重要視されるなかでも、消費におけるキャッシュレスへの対応は企業経営でも重要なテーマとなりそうです。

「中小企業家しんぶん」 2018年 10月 25日号より