仲間づくりと支部活動を車の両輪で 長崎同友会理事・仲間づくり委員長 原田 良太氏(社会福祉法人宮共生会理事長)

 中同協50周年(2019年)5万名達成に向けて、各同友会の増強にかかわる事例や増強に取り組む会員のインタビューを掲載していきます。今回は長崎同友会の原田氏です。

Q.ご自身の企業・地域について教えてください

 私が所属する社会福祉法人宮共生会は2002年創業で開設当初から障害のある方の地域生活を支えるための活動を行ってきました。主に稼働年齢層にある障害のある方の働きたいという気持ちを支える活動に取り組んでいます。

 法人が所在する佐世保市は1889年(明治22年)、当時寒村と言われていましたが、旧海軍の鎮守府が設置されたことにより、軍港の街として急速に発展していった地域です。戦後は米軍基地の受け入れ、海上自衛隊や陸上自衛隊の基地の設置など、基地の街としての様相があり、そのことによる人口の増加、経済の発展がなされた街でもあります。

 地域性としては元々の地の人間というよりはさまざまな地域、さまざまな国の方が往来する街中で、多様な文化や考え方を受け入れることのできる、いわゆるダイバーシティ経営の考え方が自然と身につくような地域ではないかと考えられます。

Q.会員拡大に向けての力点・重点・方針、具体的な取り組みはどのようなものですか?

 会員拡大に最も必要なことは共通認識だと思います。

 なぜ会員増強(仲間づくり)が必要なのか、会員増強によって何がもたらされるかの共通認識です。私自身が支部長になった時に支部の仲間づくり委員長と話をしたのは仲間づくりを進めることでどういった未来が見えてくるのかでした。

 仲間が増えることでその地域における組織率が上がり、組織率が上がれば行政や地域の他団体等への発言力が上がっていく。発言力が上がると同友会が考えるよい会社づくりの考えを広めることができ、そのことによりわれわれの経営環境がよくなっていく。

 このような好循環をつくっていくためにも「仲間づくり」は必要であると話をしました。増強の名のもとに、数のみを追いかけるのでは限界があると思います。

 なぜ「仲間づくり」が必要なのかを全体で共有し、一部の役員や委員会の活動としないことも必要だと思います。全体の意識が一つの方向性を見いだした時、本当に望む結果が付いてくるのではないかと感じています。

Q.今後の課題、今後の抱負をお願いします。

 同友会活動に関しては絶対の自信をもってお薦めできるため、会員数が増えることについての不安はそうありません。

 しかし、支部活動の成熟度によっては、増え続ける会員に対応できずに会の魅力を知ってもらう間もなく退会となってしまうケースも多くありました。そういった意味でも、「仲間づくり」と「支部活動」は車の両輪のような関係であり、そのどちらかが早く回っては真っすぐ進むことができないと思います。

 「仲間づくり」と「支部活動」両方に適度な力を入れ、バランスよくまっすぐに進ませるかじ取りが必要です。自社の組織経営と同じく、支部や委員会活動に関してのマネジメントが必要だと思っています。同友会活動でマネジメント力が鍛えられれば、自社においても力を発揮できると感じています。

 これからも同友会の一員として鍛えていただければと思っています。

「中小企業家しんぶん」 2018年 11月 15日号より