【連載】SDGsをどう生かすか~第2回 SDGsと企業のかかわり 一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)

一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)

本年の全研第2分科会や定時総会第2分科会のテーマになった「SDGs」。

一人ひとりの人権を実現する同友会の企業づくりとは多くの共通点があります。その概要について連載します。

前回、SDGs(持続可能な開発目標)には、貧困、飢餓、保健、教育、ジェンダー、労働、水、生産と消費、エネルギー、気候変動など、いま世界が直面するさまざまな課題が達成目標に含まれていることを紹介しました。ところで、これらの課題の達成のために、SDGsの目標17では「公と民、市民社会のパートナーシップ」の重要性が強調されており、これを受けて政府も「SDGs実施指針」の中で、「SDGsの達成のためには、公的セクターのみならず、民間セクターが公的課題の解決に貢献することが決定的に重要であり、民間企業が有する資金や技術を社会課題の解決に効果的に役立てていくことはSDGsの達成に向けた鍵でもある」としています。企業に対して大きな役割が期待されています。では企業はSDGsの達成にどのように貢献すればいいのでしょうか。

SDGsは「われわれの世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」の一部であることを前回説明しました。その「2030アジェンダ」の最後の部分では、「民間セクター(企業)に対し、持続可能な開発における課題解決のための創造性とイノベーションを発揮することを求める」としています。具体的には、SDGsの達成につながるような事業をさらに伸ばし、あるいは新規に事業展開することなどが考えられるでしょう。また、経営や仕事のあり方自体を、地球と社会の持続可能性の観点から改めて考え直すことも求められていると言えます。

日本でもすでに多くの企業がSDGsに関心を寄せ、個々の事業内容をSDGsに関連づけたり、経営理念にSDGsを位置づけたりするなど、さまざまな取り組みを進めています。政府による「ジャパンSDGsアワード」は今年で3回目を迎えますが、2018年度に行われた第2回アワードでは247の企業や団体から応募があり、受賞団体15には中小企業を含む9企業が占めました。今後こうした企業による取り組みはますます広がっていくでしょう。

「中小企業家しんぶん」 2019年 10月 5日号より