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2019年度共同求人活動から―同友会らしい共同求人活動を通して魅力ある企業と地域に

求人・就職活動の動向

 2019年10月の有効求人倍率は、1.57倍で昨年同時期に比べ0.05ポイント下落しました。10年前のリーマンショック直後は0.47倍であったことを考えるとここ数年は高い水準で推移しています。リクルートワークス研究所の大卒求人倍率調査では、2020年3月卒業予定の大卒求人倍率は1.83倍と昨年の1.88倍より0.05ポイント下落。8年ぶりの減少となりましたが、依然として高水準となっており、企業の採用難は続いているといえます。

 規模別に見ると従業員数300名未満の企業では8.62倍と高水準の一方で5,000人以上の企業では0.42倍と従業員規模間の倍率差は大きいままです。また、全国の民間企業の求人総数は80.5万人、学生の民間企業就職希望者数は44万人で求人に対して36.5万人の人材不足となっています。

 2019年3月に大学を卒業した学生の就職率は78.0%と9年連続で上昇、このうち正規雇用は75.3%でした。大学卒業者57万人のうち、「正規の職員等でない者」「一時的な仕事についた者」および「進学も就職もしていない者」を合算すると約6万2,000人。これらの安定的な雇用に就いていない者の卒業者に占める割合は、10.9%と昨年より0.6ポイント低下しました(文部科学省「平成31年度学校基本調査(速報値)より」)。

 Jobway参加企業は1,013社(前年比97.2%)、各同友会が開催した合同企業説明会の参加企業数はのべ2,537社(同86.5%)とともに減少しました。登録学生数も4,624名(同43.6%)、合同企業説明会への来場学生数はのべ4,247名(同70.9%)で減少傾向に歯止めがかかりません。

 昨年の10月9日、経団連が「採用選考に関する指針」を2021年春入社から廃止するとの発表を受け、21年春以降については政府主導でルールを見直すこととなりました。今年の10月30日に政府は2022年卒に関してもこれまでのルールを維持することを発表。2023年度以降は改めて検討を行うこととしています。

 学生の就活状況や情勢の変化とともに、合同企業説明会のあり方を再検討する時期にきています。

若者に選ばれる企業へ~法令等への対応

 中同協では、2019年3月に「求人情報提供ガイドラインに係る適合メディア宣言」制度の運用をスタートしました。

 中同協や各同友会が「求人情報提供事業者」に該当すること、適正な求人情報を提供していることを宣言することで学校や学生への信頼を担保すると同時に適正化に向けて労働環境を改めて見直し、若者に選ばれる企業づくりをめざす取り組みの一環です。

「Jobway検討プロジェクト」の設置

 中同協共同求人委員会では、「Jobway検討」プロジェクトを設置しました。法改正などここ数年で採用環境が急激に変化し、システム改修や法令に対してスピード感を持って対応すること、また全国的な行事運営、学習資料の改訂などがプロジェクトの目的です。

 年2回の委員会は運営面に偏ることなく、全国の活動交流ならびに学習の場としています。

キャリア教育やインターンシップの取り組みが活発に

 各同友会では、キャリア教育やインターンシップなど学生に「働くこと」の意義や中小企業の役割・魅力を伝える活動がこれまで以上に取り組まれました。8月に行った共同求人活動に関する調査によると、学校との連携を行っているのは大学で36同友会555校、短大で23同友会72校、専門学校で22同友会149校となり、連携内容としては、経営者の講師派遣や学内ガイダンス、先生との懇談、インターンシップの受け入れなどがありました。

 愛知同友会では、1998年より毎年大学生のインターンシップに取り組んでいます。22年目となる今年は19大学113名の学生が参加し、会員企業49社と同友会事務局で2週間受け入れました。採用の手段としないことにこだわり、働くことの意義や中小企業の魅力を伝えることで、学校と企業双方の学びの場となっています。また、修了後には、学校と企業で「まとめ会議」を開催し、今年度の振り返りと次年度に向けての改善点などの意見交換も行われています。

地域の人育てを中小企業が担う

 全国各学校のカリキュラムの基準となる学習指導要領が2017年に改訂され、「社会に開かれた教育課程」が謳(うた)われました。地域の教育を担うパートナーとして中小企業も位置づけられたことを受け、7月に東京で開催された中同協第51回定時総会では、社員教育委員会とともに分科会を設営し、126名が参加しました。

 地域に根ざす中小企業として、将来の地域の担い手を育てるために同友会として、企業として、学校教育にどうかかわっていくかを議論し、今後の地域と企業の発展のために学びを深めました。

 9月には、共同求人委員会と社員教育委員会が文部科学省と情報交換会を行い、テーマとして、学校教育を通してキャリア教育の観点から今の子どもたちに身につけてほしいこと、そのための中小企業との具体的な連携、学校教育外での地域と連携した活動における中小企業との連携や中小企業に期待することの2点について議論しました。

 連携する上での課題や学習指導要領を保護者や地域の中小企業に周知していくことの重要性などを共有し、今後も継続的に情報交換会を設けることを相互に確認しました。

同友会らしい共同求人活動とは

 中同協では、第5回目となる共同求人委員会と社員教育委員会の合同委員会を9月5日に開催しました。「人を生かす経営の実践で魅力ある企業づくり」と題し、加藤明彦・中同協人を生かす経営推進協議会代表が問題提起。経営指針作成・採用・教育の実践を通して自身や会社が成長すること、そしてその成長を語る「体現者」として、同友会らしい企業づくりの先頭に立つことの重要性を提起しました。

 共同求人活動は単なる人採りの活動ではありません。同友会で学び、自社にとって必要な人材を発見・育成し、結果として会社が成長することが活動の目的です。

 また、地域や社会に向けて活動する共同求人委員会の役割はますます大きくなっています。若者が暮らし、育つことのできる地域をつくり、雇用を創出することが地域経済の発展につながります。共同求人は人を育て、企業を育て、地域をつくる運動です。参加企業の輪を広げ、地域にあてにされる企業を増やしていきましょう。

共同求人活動に対する同友会の考え方(基本理念)

1、同友会の共同求人活動は中小企業が日本経済の中心的な担い手として、その社会的責務を果たすために必要な人材を発見し、育成するための活動です。
2、中小企業は地域的な支えなしには存在できません。しかも、経営者も従業員も地域の住民として生活しています。したがって、人間としての育ちあいの関係を地域に依拠してすすめなければならないとする、謙虚な考えに立つ活動です。
3、若者たちに、感動のある暮らしを保障し、人間として生きるよろこびを与えられる企業づくりをめざす活動です。
4、就職ということの意味を広く、深く、具体的に若者たちに理解してもらい、同友会に加盟する経営者とともに働く歴史的な意義を伝えていく活動です。
5、学生、親、教師たちとともに、学ぶとは、働くとは、人間の暮らしとは、という人間にとって重要な命題を粘り強く科学的に、人間の尊厳にかけて追及する活動です。

「中小企業家しんぶん」 2019年 12月 25日号より

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