ICTの発展とシェアリングエコノミー

2019年度国土交通白書の第1章では、「平成の時代を振り返って」をタイトルに、人口、経済、災害、技術の進歩などをさまざまなテーマで過去を振り返っています。そこで、技術の進歩として、情報通信技術(ICT)の進展を取り上げています。携帯電話は、ショルダーフォンの約3,000グラムからスマートフォンが300グラムを切り、軽量化が図られました。スマホにはさまざまな機能が付いていますが、カメラ機能について興味深いデータを掲載していました。2000年ぐらいからカメラ付き携帯電話が普及し、2007年にiPhoneが発売されたのですが、スマホの普及につれて、当然といえば当然ですが、世界全体で撮影された写真の枚数の推移が急激に増加しています。2017年では1兆3,000億枚となっていて今後も増えていくことは確実です。

インターネットショッピングも普及し宅急便の取扱個数は、1989年(平成元年)には10億個程度だったのが、2017年には約4倍の40億個となっているとあります。また電子メールやSNSなどの影響で年賀状の発行枚数が2003年の44.6億枚から2017年には29.7億枚と3割以上減少しました。通信速度も急激に早くなり、90分の動画のダウンロードが2000年で66分かかったものが2018年には4秒と過去を振り返っても急激な技術の進展が見られます。今後5Gの普及でどうなるのか興味深いところでもあります。

このICTの進展によりシェアリングエコノミーの市場規模は2016年度には540億円だったものが、2022年度には1,386億円に拡大する予測もあり、企業としてはチャンスとともに対策・対応を迫られる可能性もあります(表)。

1 サービス提供事業者売上高ベース
2 2018年度は見込値、2019年度以降は予測値
3 本調査におけるシェアリングエコノミー(共有経済)サービスとは、「不特定多数の人々がインターネットを介して乗り物・スペース・モノ・ヒト・カネなどを共有できる場を提供するサービス」のことを指す。ただし、音楽や映像のような著作物は共有の対象としていない

資料)矢野経済研究所
出典:国土交通省「2019年度国土交通白書」より

「中小企業家しんぶん」 2020年 1月 25日号より