2019年度活動と組織力を生かした仲間づくり 愛知同友会女性経営者の会「愛彩」の取り組み【愛知】

愛知同友会女性部活動の歴史

 愛知同友会女性部活動の歴史は1972年に婦人部として発足、1970年に経営者夫人・女性経営者が複式簿記の勉強をスタートしたことから始まりました。1986年には男女雇用機会均等法施行を受けて名称を「婦人委員会」とし、経営者夫人の活動参加を広げ、1990年に愛知同友会の専門部として「女性部会」となり、女性会員と経営者夫人がともに学べる場としました。2010年に多様性を企業経営に取り入れる課題を採掘する委員会として「男女共生委員会」が発足。一方で女性経営者の学ぶ場の確保と女性リーダーの育成の場づくりは重要な課題であることから、2015年に「女性経営者の会『愛彩』」が設立されました。なお、男女共生委員会は女性活躍推進法の制定と働き方改革の流れを受け、2017年に「協働共生委員会」と名称変更し、さらに多様性を深化させた形で活動を展開することで役割を明確にしました。

愛彩の組織位置づけと具体的な活動

 愛知同友会は、10支部のもと64地区に分かれて活動しています。女性経営者の会(以下、愛彩)は支部と同列の組織に位置づけられ、全女性会員が対象となっているため、女性会員は地区と愛彩の両方に所属しています。

 特徴は、夜間の活動に出席しづらいという方に配慮して基本的な活動時間帯を午前10時から12時としている点です。また、東海財務局などの協力を得てテーマを絞り込んだ学習会を今年度からはじめ、経営環境改善に興味をもってもらうきっかけになりました。

 さらに、愛彩の理事を中心に各地区などに出向き、例会づくりや女性会員の増強など相互協力をしてきました。このような地区や委員会との連携・協力体制のもとで、時間帯やテーマの幅が広がった中で例会や勉強会に参加できる活動になったことが仲間づくりにつながっています。

 2019年の期首会員数が4,241名のうち女性が394名、女性比率は9.3%です。女性会員は2015年の設立時から仲間が増え続け、会員の女性比率も2015年の7.8%から上がっています。2020年度を迎えるにあたり愛知同友会全体の目標は4,500名、愛彩としては女性比率10%を目標として仲間づくりを意識して邁進しています。

今後の課題と展望

 今後の課題は、(1)愛彩の存在意義や活動内容を(女性会員の)入会時にきちんと周知すること、(2)愛知同友会の中で女性リーダーがもっと活躍できる土壌をつくる必要がある、(3)同友会運動の本質を学びながら女性会員の仲間づくりを推進する、の3つです。

 これまで紹介した成果は、愛彩単独で得られるものでなく、愛知同友会の組織力によるものでもあります。課題についても愛知同友会の全体的な課題として捉え、2021年開催の女性経営者全国交流会(女全交)をチャンスとして女性経営者が共に学び、会員の能力向上と女性リーダーの育成を推進しています。

(2020年2月26日 2019年度第2回中同協女性部連絡会実践報告より再編集)

「中小企業家しんぶん」 2020年 5月 15日号より