障がい者雇用をもっと身近に! 雇用実践から学ぶ人間尊重経営 オンラインで情報交換会を開催【静岡】

 8月4日、静岡同友会障がい者問題委員会はZOOMで情報交換会を開催し、委員会に所属する会員と、関係機関(静岡県経済産業部、県内の特別支援学校8校、障害者支援機関など)から合わせて30名が参加しました。例年、関係機関とともに障害理解を深め合おうと開催している情報交換会。今回は会員の雇用実践とオンライン会社見学、グループ討論を実施、雇用経験のない会員も参加しました。

 まず、就労移行支援事業の西躰亮貴氏((株)富士山ドリームビレッジ 取締役)からは、障害者を取り巻く雇用情勢や現行の支援制度、また障害者・健常者の誰もが働きやすい環境にむけ企業として配慮すべきことなどを説明しました。

 オンライン会社見学では、紙箱製造業の金澤仁氏((株)金沢紙工 代表取締役)が社内を回りながら製造工程を説明。障害を抱える社員へ気さくに声をかけあうやり取りを通して金澤氏の社員に対する温かな姿が窺えました。「ハンデのある人の受け入れには、小さなことも褒めて本人のできることを伸ばし、日常的な声かけで相談しやすい環境をつくること」と報告。また「人には両手のほかに3本目の手『助け合いの手』があると考える。障害者も健常者も美しい製品を作りたい思いは同じ。社員一人ひとりが『助け合いの手』を差し伸べれば会社全体として大きな力を発揮する」と語りました。

 グループ討論では、新型コロナの影響で障害者の実習先や就職先が減少し、障害者を取り巻く雇用情勢の厳しい現況が共有されました。現況の課題を受け、オンラインによる面談会や見学会の提案、また雇用経験のない企業に対しては実習生の受け入れの勧めや雇用経験のある会員がいつでも相談に乗ることなど意見が交わされました。

 原田昌樹・静岡同友会障がい者問題委員長((株)アレミティ 代表取締役)は「今回の学びを今後の委員会活動に展開していきたい」と語り、同友会が提唱する「人間尊重経営」を、会員の実践報告を通して参加者全員で学び合えた情報交換会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2020年 9月 5日号より