健康経営のススメ 健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践する

 新型コロナの災禍をきっかけに時差出勤や時短勤務、テレワークの実施など就業環境も大きく変化しています。業務環境や生活習慣の急激な変化によるストレスで心身に不調をきたして業務に影響することが懸念され、企業にとって従業員の健康管理は重要な経営課題となっています。今回は、近年注目されている健康経営※に関するデータから、その対策のヒントを捉えてみましょう。

 健康経営度調査をご存知ですか? これは法人の健康経営の取り組み状況と経年変化を分析することを目的に、2014年から経済産業省が実施しているものです。この調査結果は「健康経営銘柄」の選定や「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の選定に活用されています。中小規模企業部門はこの調査への回答は必須ではありませんが、「健康経営の必要性は感じるけれど何から始めればよいのかわからない」という悩みを持つ企業においては、何をどのように取り組めばよいのかについてのガイドラインとして活用することも可能です。(図)

 この調査に回答すると健康経営の実践レベルや見直しが必要な項目などを記載した評価結果がフィードバックされるので、自社の健康経営度を測るツールとして活用することもできます。

 健康経営に対する関心、注目は高まっています。企業における組織の活性化・生産性の向上や業績向上への期待のみならず、人材採用・離職防止、そして従業員の健康状態改善を図るためのきっかけとして、健康経営度調査の実施や「健康経営優良法人2020(中小規模法人部門)」の申請を検討してみてはいかがでしょうか。

※健康経営:従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性などを高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること(経済産業省「健康経営の推進について」(2020年4月)より)

「中小企業家しんぶん」 2020年 9月 25日号より