「実践!テレワーク」第2回 テレワーク導入までの経緯

(株)現場サポート 代表取締役福留 進一(鹿児島)

 近年新たな働き方として注目を集めているテレワーク。コロナ禍の働き方として定着しつつあります。新型コロナの前からテレワークを導入してきた(株)現場サポートの実践事例を全5回にわたり連載します。

個人面談での提案により着手

 弊社でのテレワーク導入は2016年にさかのぼりります。ある社員に社長面談で、「将来、親の面倒もみたいのでテレワークをしたい。制度を考えてほしい」と言われ、その場で「時期が来たら検討する」と約束しました。テレワークの開始は2018年1月です。その間に、「テレワーク運用ガイドライン」の策定を行いました。

 2018年7月には、結婚を機に県外への引っ越しが決まった女性社員が、2人目のテレワークを開始しています。

2020年までに4回の改訂を実施

 実際に運用すると、当然ですが課題がでます。改訂を重ねて今年2月時点ですでに4版目でした。

 改訂内容は、朝礼を行う週初めの出勤を義務から推奨に変更、スポットでのテレワーク許可の盛り込み、コミュニケーションに関する課題への対処による「テレワークの心得」の追記など、実運用に即して使い勝手のよいものにしてきました。

新型コロナウイルス対策により加速

 実は今年の7月に、この「テレワーク運用ガイドライン」を廃止し、新たに「ワークスペースガイドライン」を策定し運用を開始しました。新型コロナウイルスへの対策として数カ月にも渡り全社員が在宅ワークを経験し、もはやテレワークは特別なことでないことがわかりました。

 一方でオフィスの機能は、「共創・共育・コミュニケーションの場」と再定義してレイアウトも大幅に変えスタートを切りました。交通費を一律5000円、在宅ワーク手当ても一律3000円とするなど、関連する制度変更も行っています。

振り返って思うこと

 外部環境の変化により、急に対処を迫られたわけですが、これまでの蓄積があったので、大きな問題もなく対処できました。

 社員の声を聞く、すぐやる、定期的に見直すといった経営の仕組みが機能しているからこそであろうと考えます。個別の対策はもちろん、根幹にある経営のあり方も、引き続き磨き続けなければと考えます。

 次回は、テレワークで特に課題として挙がる、コミュニケーションの仕組みについてです。

「中小企業家しんぶん」 2020年 10月 15日号より