経営指針書を危機を乗り越える羅針盤に 経営指針を創る会をオンラインで開催【熊本】

 熊本同友会は「第24期経営指針を創る会」を前半2日間と後半2日間の合計4日間で開催し、28名が参加しました。

 当初は、例年通り集まっての開催を検討しましたが、新型コロナウイルスの影響もありすべてオンラインで準備を進めました。

 はじめに千田基史・経営労働委員長が、今回の経営指針を創る会の開催意義を「新型コロナウイルスで影響を受けている今だからこそ自社を見つめ直し、この危機を乗り越える羅針盤にしてほしい」とあいさつし、「人を生かす経営」、「経営理念と事業目的」について松尾孝氏、田中芳和氏がそれぞれ自社の実践事例も交えながら報告。また、「10年ビジョン」について天野哲男氏が「10年後の自社のあり方や社員がワクワクするようなビジョンを描きましょう」と報告しました。その後、グループワークで自社の存在意義、経営理念や10年ビジョンなどについて悩みながらも経営指針ワンシートを作成しました。

 後半では、自社のSWOT分析を福嶋智和氏、中期方針を森本康文氏、単年度計画を松原匡宏氏と吉本1000剛氏がそれぞれ自社の分析事例や方針書を基に報告と説明を行い、最終日には、各グループで各社の経営指針書を報告し合い意見交換を行い全日程が終了しました。

 全日程を通して大きなトラブルもなく進行でき、オンライン開催の特徴を生かしてブレイクアウトセッションで相談部屋をつくり、特に単年度計画の財務について相談しやすい環境をつくりました。また、講師が各グループを回り補足説明や質疑応答に対応するなど参加者に対してフォローができる体制を取りました。参加者からのアンケートでは、「とてもよかった」という意見が8割を超え、従来の開催方法と同じクオリティーを維持できたようです。

 経営指針を成文化しただけではただの紙切れと同じです。これを社内で共有し実践していくことで本当の指針となるのではないでしょうか。委員会では、アフターフォローとして参加者に声掛けをして行く予定です。

「中小企業家しんぶん」 2020年 10月 25日号より