学校や学生から一番に選ばれる存在になるために【東京】

東京同友会共同求人委員長 大脇 耕司氏

東京同友会の共同求人委員会は40年の歴史があり、合説、学校訪問、社員教育との連携など歴史の古い活動をしています。特に学校との関係では、歴史ある活動を評価していただいており、景気に左右されず毎年採用を続け、学校との関係を続けてきたことに特徴があると思います。

今年度は活動理念を確認することを大切にしてきました。共同求人活動は、同友会3つの目的のために存在しており、人を採るという活動ではなく「学生に選ばれる魅力ある企業になる活動」「経営者自らが自社の魅力を発信する活動」「学生を共に育てる役割を学校に理解してもらう活動」「採用から共育までを見据えた教育運動」であることを毎回確認しています。

委員会は、学校部・企画部・企業部の3つに役割を分けています。学校部は、学校と企業をいかにつなげて、そして裏の目的として学校に同友会理念をいかに知ってもらい理解してもらうかがあります。企画部も同様で、学生との接点を作るのが手段ですが、学生に同友会の企業をいかに知ってもらうかをテーマとしています。企業部でも、企業が学ぶ場を作る、会員企業や会員外の企業にも同友会の共同求人活動がどういうことをしているのかを知ってもらうことを目的にしていて、各部に副委員長を置き有機的に活動を進めています。

合説は年に4回、毎回40~80社が参加しており、コロナ禍でも感染防止対策をしっかりしたうえでリアル開催しました。また、1週間の社長の弟子入りインターンシップを2回と、2週間の業種別インターンシップを開催しており、30~50社の企業、70名の学生が参加し盛況となっています。それから、授業への講師派遣も年に数十講座を受けもち、年々増加しています。また、経営者と語る会を全国で10数回開催し、リアルな経営者の働く姿を学生に知ってもらおうと思い活動しています。昨年重視したのは、学校訪問と情報交歓会で、重点校を決めその学校と長くお付き合いをする担当を決めました。私自身の活動のバロメーターとしてJobwayのアクセスランキングを利用しており、この数字を有効に活用されたらいいと思います。

学生の知る機会をなくさない努力として、学校訪問や授業もオンラインで開催しています。最近は、LINEやYouTube配信、Jobway Collegeとしてサークル活動のような取り組みや、オンライン就職相談会を開催するなどしています。発信することが目的ではなく、同友会の活動を理解してもらうことが重要なので使えるものを使って機会を増やしています。

学校や学生に同友会が一番に選ばれる存在にはなれていません。参加企業がお互いに学び合える状態になっているか、また求人委員会の活動が浸透していないなどの課題があります。昨年は、学生や学校との接点を増やし、お互い学び合う例会や講義登壇メンバーを増やすことで対応してきました。活動の方針をしっかりと浸透させていくために、共同求人に参加した企業の全社が、自社の改善、経営者の成長、環境の改善を繰り返し行える仕組み、学び合える仕組みをつくることが私たちの委員会の役目だと思っています。共育委員会や経営労働委員会、東京には「多様な働き方委員会」がありますが、その4委員会が連携し学ぶ場を作ることが大事だと思っています。学んだだけではなく、学生や学校に私たちのことをより知ってもらえる環境づくりも重要です。特に学生は毎年変わるため、対応し毎年改善し続けることが必要です。

「中小企業家しんぶん」 2021年 3月 5日号より