【コロナに負けない!】強みを生かした多業種展開 タクシー会社との連携も (株)キャピタルコーポレーション 代表取締役 村井 由香氏(広島)

 広島市内に串焼き居酒屋「炭焼雷」を3店舗展開する村井氏は、売上が9割ダウンする中、社内で危機感を共有し、経営方針や経営計画を見直して、社員の知恵を集めて強みを生かし、飲食業からメーカーへと新たな展開をしています。

社員とともに

 新型コロナの感染が広がる中、昨年4月9日には、経営計画会議で「生き残るための7カ条」(会社を愛する気持ちを持つ、全員で営業する、新商品開発に全力を尽くすなど)を社員とつくりました。

 「先が見えない不安で眠れない中、前向きになれたのは、社員のおかげです。ランチ営業やお客様に向けた動画作成の提案などもあり、お店を開けないほうがキャッシュアウトは少ないのですが、社員のモチベーションが大事」と、社員の知恵で新たな歯車を回し始めました。

連携~新たな事業展開へ

 創業者の父親の死去に伴い、主婦から社長になって12年。本店が火災に遭うなどの危機を社員とともに乗り越えてきたその強い絆が力を発揮。同友会で学びつくった経営指針と社員との信頼関係が支えとなりました。持続化給付金や融資で資金繰りにめどがつき、「店売り」以外の「新たな柱」を持つことの重要性に気づきます。

 同じ同友会の仲間であるタクシー会社と連携して、宅配や送迎付きコースをつくり、地域の商店街と協力して情報を発信。プロの焼き手がマンツーマンで焼きを伝授する「串打ち・焼き体験」など、次々にあらたな話題を提供し、報道機関の注目を集めています。

 そして、新規事業である「冷凍串焼き」。店の味を家庭に届けるための研究が始まりました。損益分岐点を下げたものの、前年度比で売上は半減。Go Toキャンペーンで9割まで戻っても、鳥インフルエンザで納品が安定しない状況は続いています。

 サービス業から通販「惣菜」製造業へ。「今は種まきの時期」と「時間の有効活用」と位置付けて挑戦は続きます。

「中小企業家しんぶん」 2021年 4月 5日号より