2019年と2021年のサービス産業の売上高はどうなっているか

 4月3日総務省統計局は、「サービス産業動向調査」2021年2月分(速報)を発表しました。サービス産業の売上高は29.1兆円、2020年同月比で10.4%の減少と、コロナの影響が徐々に迫っていた昨年から1割強の減少となりました。サービス産業の事業従事者は2,972万人となり、前年同月比で3.2%の減少。雇用もなくなってきていることがわかります。今回の発表では、2019年と2021年の月間売上高を比較した追加参考図表が参考になります。2019年との比較でどれだけコロナ禍の影響があるのか見てみます。

 2019年と2021年のサービス業全体の比較では、1月は▲11.0%、2月は▲10.8%となっています。(表1)特に減少幅が大きい業種を2月で見てみると、航空運輸業・郵便業で▲54.9%、宿泊業で▲53.2%、鉄道業で▲47.2%、飲食業で▲42.5%、道路旅客運送業▲42.2%となっています(表2)。移動制限や営業時間などの自粛要請の影響が如実に出ています。減少幅の大きいこれらの業種は関連する裾野も大きいため、影響はこれ以上と思われます。

 一方で、増加している業種も5つありました。まずは廃棄物処理業が+10.6%、インターネット附随サービス業が+8.5%、情報サービス業+5.9%、専門サービス業+5.6%、物品賃貸業+0.1%となっています(表3)。巣ごもり消費や、テレワークなどコロナ禍における生活様式や働き方の変化がうかがえます。3月以降から感染が拡大しており、5月現在では緊急事態宣言が発出されるなど、さらに影響が出ている懸念があります。

「中小企業家しんぶん」 2021年 5月 25日号より