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連載「価値創造へ~経営指針を外部発信」ローカルベンチマークと経営デザインシート 第2回 「ロカベン」は金融機関との共通用語

 経済産業省「ローカルベンチマーク」(ロカベン)は、地銀、第2地銀、信金の4割で、「事業性評価の入口」として活用されています。今回は、ロカベンを実際にどのように活用しているか、徳島同友会会員の吉武恭介氏(ワコウクリーンサービス(株)代表取締役、中同協経営労働委員会副委員長)に話を聞きました。

ローカルベンチマーク活用のきっかけは

 中同協の経営労働委員会で、2016年に経済産業省のロカベンがあると聞いて、やってみようかなと思ったのが着手のきっかけです。本格的には今年3月に取引先の金融機関から、ロカベンをもとにしたヒアリングがあり、KPI(重要業績評価指数)は経営指針の単年度計画で説明し、KGI(重要目標達成指標)は指針の10年ビジョンをもとに説明しました。

 しかし、経営指針で具体化が乏しかった点が、ロカベンであぶりだされました。「非財務」の重要な業務フローと商流を可視化し、それを踏まえて4つの視点で整理する部分です。部門としては設けていないのですが、こういう仕事があると自覚することにもつながりました。

 経営指針では分解して考えていなかったので、書いていくと業務の役割や役割ごとの差別化のポイント、自社の強みなどが明確になりました。

経営指針からロカベンへの書き写しの際に感じたことは

 財務分析では、過去の実績の推移が、決算書を入力するだけで、別のシートで経営指標として示され、売上持続性(売上増加率)、収益性(営業利益率)、生産性(労働生産性)、健全性(EBITDA有利子負債倍率)、効率性(営業運転資本回転期間)、安全性(自己資本比率)として、6つの指標でグラフ化されるので、どれが向上しているのか落ちているのかなど、わかりやすくなります。「非財務」の分析では、金融機関のヒアリングで問われて、新卒学生への訴求力がないことも分かりました。

 同友会で経営指針をつくった経営者であれば、1日程度あれば書ける内容です。

ロカベンの今後の活用について考えられることは

 ロカベンで商流の把握はできるのですが、外部の事業者や取引先、顧客との関係をどのようにつくっていくかという点での分析はできないと感じました。また、企業の現状把握と金融機関との懇談時には有効です。共通用語ができ、スムーズに自社のことを伝えることができました。

 今回のロカベンでの対話を通じて、金融機関からは、自社の事業性評価や格付けを教えてもらえるようになり、今後、借入が発生する際の金融機関の担当部署やスケジュールまでアドバイスしてもらえました。今後はビジネスパートナーとのマッチングにも期待しています。

 金融機関がそれだけ手の内を見せてくれるので、こちら側も報告の責任を感じます。金融機関からの「信用」はすぐには作れない。経営指針を毎年見直してその発表時期には、金融機関に提出し現状報告と今後の計画を伝えます。その時にロカベンにも書き写して持っていくと、金融機関が欲しい情報がそのまま提供でき、信用も築かれていくと感じます。

中小企業家同友会全国協議会政策広報局長 平田美穂

「中小企業家しんぶん」 2021年 9月 15日号より

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