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【連載「価値創造へ~経営指針を外部発信」ローカルベンチマークと経営デザインシート】第3回 「経営デザインシート」で未来を描く

 経営指針を生かし、自社の現状分析にはロカベン、将来の事業計画については「経営デザインシート」を活用することで、金融機関や外部機関との情報の非対称性を乗り越え、外部発信することで相互の関係強化にもつながります。今回から2回にわたり紹介する内閣府の「経営デザインシート」は、企業の未来を描きこれからの事業の価値を「見える化」するもので、企業としての事業の成長性を1つのシートで分かりやすく示すことができます。本連載にあたっては一般社団法人日本金融人材育成協会会長の森俊彦氏の協力をいただいています。

価値創造メカニズムを見える化

 内閣府知的財産戦略本部(本部長:内閣総理大臣)は、「企業等が将来に向けて持続的に成長するため」として、2018年に「経営デザインシート」を発表。その普及を促進しています。

 「将来の経営の基幹となる価値創造メカニズム(資源を組み合わせて企業理念に適合する価値を創造する一連の仕組み)をデザインして、ありたい姿に移行するためのシート」として、企業規模を問わず企業の経済的、社会的価値の創造を促しています。

 同友会では経営指針(経営理念、10年ビジョン、経営方針、経営計画)の成文化・実践運動を推進し、経営者が経営姿勢を正し、企業のありたい姿を描き、計画的に実践していくよう活動を進めています。

 経営指針や「企業変革支援プログラム」の「企業プロフィールシート」と、経営デザインシートの親和性は高く、経営指針を手元に置いて記入すれば、未来像がワンシートで見える化されます。

 このシートにより、金融機関や外部機関と「共通言語」ができ、相互に理解が進みます。

出所)内閣府「経営デザインシートについて(初期デザイン版)」4ページ

経営デザインシートの特徴

 経営デザインシートは上図のように、「(A)経営理念・事業コンセプト」「(B)これまでの価値を生み出す仕組み」「(C)これからの価値を生み出す仕組み」「(D)今から何をするべきか」の4つの部分からなっており、経営指針で記述しているものを短く記述することでポイントが明確になります。

〈経営デザインシートの項目〉

経営理念・事業コンセプト
・自社の目的・特徴・事業概要
・経営方針との関係

これまでの価値を生み出す仕組み
・資源
・ビジネスモデル
・価値
・これまでの外部環境
・事業課題(弱み)

これからの価値を生み出す仕組み
・資源
・ビジネスモデル
・価値

今から何をするべきか
・これからの外部環境
・移行のための課題
・必要な資源
・解決策

 「資源」と「ビジネスモデル」と「価値」の関係性を意識しやすいので、社員とともに議論し記入することで、社内での経営指針の理解も深まり、また一覧性のあるシートにまとめることで、外部機関に自社の価値創造メカニズムを伝えやすくなります。

 本シリーズ第1回で紹介した、経済産業省「ローカルベンチマーク」で事業の現状を明確にしつつ、本シートで未来像を明確にして取り組むことで、新たな気づきが得られ、経営指針も深まります。経営指針と同じく、現状からこれからを考えるのではなく、未来像からこれからの取り組みを考えるバックキャストの思考を促されます。

 次回は、本シートの実践事例を紹介します。

中小企業家同友会全国協議会 政策広報局長 平田美穂

内閣府知的財産戦略本部ホームページ
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/index.html

「中小企業家しんぶん」 2021年 10月 15日号より

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