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連載(最終回)「価値創造へ~経営指針を外部発信」第4回 「経営デザインシート」で将来像を見える化

 内閣府知財戦略本部「経営デザインシート」(以下、シート)は、中小企業が将来実現するであろう事業の将来を見える化し、1枚にまとめることで、各種中小企業支援施策の申請や社内で将来像を共有する際に役立つものです。経営指針(経営理念、10年ビジョン、経営方針、経営計画)をコンパクトにまとめることで、どのような成果が出てきたのか、北海道同友会会員の早川舞氏(グラース(株)代表取締役)に話を聞きました。

 北海道の大自然の「かおり」を届けるグラースの早川氏は、2012年にアロマ関連のサロンを併設した会社を設立。同友会の仲間の後押しもあって、経営指針での学びから経営理念をつくり、地元産材に注目し、地元で間伐されるアカエゾマツの枝葉を採取し、オイルの抽出まで自社で行っています。

Q.経営デザインシートとの出合い

 昨年のものづくり補助金申請の時に簡易版のシートの提出が位置づけられていました。また、オリジナル版のシート作成をあさひかわ産業創造プラザから声をかけられて、本格的に取り組み始めました。

 コロナになって先を見失っている時期に、このシートをつくることになりました。経営指針は同友会で学んで1人でつくりましたが、シートは社員みんなでつくるようにとのアドバイスもあり、スタッフを交えて一緒に取り組み、これからの未来や考えていたことを意見交換することで、経営理念が確信になり、会社の団結力が高まりました。

Q.同友会で学んだこと

 同友会のみなさんは新参者の私にも温かく、学ぶことに謙虚で驚きました。入会後すぐに経営指針研究会に入り、旭川で女性経営者全国交流会が開催された2016年には分科会座長という大役をいただきました。(株)カンディハウスの女性社員2名が報告者、さらに当時の道北あさひかわ支部長が同社会長(当時)の渡辺直行氏であり、それぞれの方からお話を聞いたことがきっかけで、いまの事業にもつながりました。

 経営指針づくりでは、仲間のアドバイスは耳が痛いものでしたが、次第に自分の弱いところを改善していきたい、つくった経営理念を実行したいと思えるようになりました。また、経営者としての責任とスタンスを学び、考えがぶれなくなりました。

Q.社内および外部発信での効果と変化

 シートに向き合い、将来像を描くことが苦しかったのは、現状に向き合い、解決していく姿勢が問われるからです。課題解決に取り組むことで、新規事業も見えてきました。みんなで議論して文字化し、シート1枚に見える化することで、定着率も上がりました。

 また、「森の女神」と言われ、抗菌効果を持つアカエゾマツの価値と自分たちの価値の見直しにもなりました。商品など自社の知財について、商標登録を出願し、承認されました。補助金申請で経営デザインシートを提出しています。おかげで、少額ですが昨年はものづくり補助金、今年は旭川の補助金を受けることができました。

 これらもあり「ハグ&リラックス」からとった「はぐりら」のかおりのシリーズを通して、北海道の自然の癒しをオンラインショップから届けられるようにもなりました。自社の価値の見直しが北海道の価値の見直しにもつながっています。

中小企業家同友会全国協議会 政策広報局長 平田美穂

内閣府知的財産戦略本部ホームページ
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/index.html

「中小企業家しんぶん」 2021年 11月 15日号より

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