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連載「価値創造へ~経営指針を外部発信」最終回 「強み」の発信で地域経済の好循環を実現

ローカルベンチマークと経営デザインシート

 本連載では、同友会がすすめる「経営指針」の外部発信の一環として、経済産業省「ローカルベンチマーク」(以下、ロカベン)や内閣・知財戦略本部「経営デザインシート」(シート)の活用について、実践事例も交えて紹介してきました。今回はこのシリーズを振り返り、一般社団法人日本金融人材育成協会会長の森俊彦氏のインタビューも交えながら、これらの活用の意義をまとめています。

 企業の現状の洗い出しにはロカベン、将来ビジョンにはシートと、社内での議論も深めつつ、フォームに記入しながら、見える化することで、金融機関や外部機関との関係構築や経営支援も得られやすくなることがわかりました。

 地銀、第二地銀、信金でのロカベンの活用度合いが5割と高く、事例でも第二地銀が率先してロカベンを活用し、経営者が記入する際にも適切なアドバイスがあり、信頼関係が築かれていく様子が紹介されています。また、自治体からの支援策への対応として、シートの提出が求められるケースもありました。

支部でシート作成・実践の取り組み

 長崎同友会大村支部では「中小企業魅力発信月間」の取り組みとして、シートの活用について、森俊彦氏を報告者に例会を開催し、その後も実践者で2回にわたりグループ会(白熱教室)を開催。記入したシートを社内で論議し、相互に実践を検証する活動を継続しています。

中小企業が取り組む意義

 森氏に中小企業が取り組む意義や外部との関係強化に向けた対応の必要性などを聞きました。

 「自社の経営指針を生かし、ロカベンやシートを『共通言語』として活用することで、金融機関や外部機関との『情報の非対称性』を乗り越え、外部発信することで相互の関係強化による『共通価値の創造』につながります。

 経営環境の変化のスピードは、ますます加速するでしょう。変化に対応し進化し続けることこそが、企業にとっての大きなビジネスチャンスを、自らの企業価値向上につなげていくことになります。

 その対応の基軸になるのが、経営理念を可視化した経営指針であり、そこに根差す自らの存在価値であり、『強み』そのものです。

 自らの強みを見極め、ありたい姿を描き、バックキャスティングすることで、そのギャップを埋める移行戦略を可視化し、実行していくことが、企業価値向上に結実していき、情報発信力が一層高まります。

 中小企業は金融機関との『平時からの信頼関係』の構築が不可欠です。望ましいのは、金融機関と一緒にロカベンやシートを作ることです。金融機関は中小企業に伴走しながら対話して作成に関与するイメージです。これによって、金融機関の理解が進み、次の事業変革への可視化についても共有ができます。この両者による可視化のプロセスそのものが『平時からの信頼関係』づくりになります。また、それを発信することで、仕入先、協力先、得意先、エンドユーザーなどとの関係づくりにも活用できます。

 同友会には、中小企業憲章や中小企業振興基本条例 が羅針盤となって、中小企業、金融機関、支援機関の総力が結集し、地域経済の好循環を実現する国民運動へと昇華していくことを期待しています」。

中同協政策広報局長 平田美穂

「中小企業家しんぶん」 2021年 12月 15日号より

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