同友会景況調査(DOR)139号(2021年10~12月期景況調査)の速報が発表されました。
2021年10~12月期は、業況水準DI(「良い」―「悪い」割合)などの主要指標で好転しました。全業種、全地域経済圏で、従業員100人以上規模を除いて好転となりました。一進一退の景況感は続き、次期はおおむね横ばいの見通しとなっています。
一方、前期(7~9月期)で「原材料価格高騰が経営課題に」としていた懸念が顕在化してきました。仕入単価DI(「上昇」―「下降」割合、前年同期比)は6期連続で上昇、2008年7~9月期以来の水準となっています。とりわけ製造業や建設業でその傾向は顕著です。今期、経営上の問題点として「仕入単価の上昇」の指摘する割合が最も多くなりました。
雇用に関する指標は増加基調、設備投資への動きが見え始めているものの、世界的な半導体・部材調達難、資源価格や商品価格の高騰が企業業績をじわりと圧迫しています。
「原油高が大きな痛手となっており、先が見えない。適正な運賃・料金の収受の交渉も非常に難しい働きかけ。トラックをもたない輸送形態やドライバー不足といった今後の問題もあるので、多角的経営も視野に入れた仕事づくりをすることに注力(一般貨物輸送業)」に象徴されるように、価格転嫁が苦慮される現状も大きく立ちはだかっています。
いま一度自社の強みを見極めるとともに、取引先をはじめとする関係先とのコミュニケーションや情報共有を図りながら、厳しい経営環境を生き抜く不断なる取り組みを進めることが、いっそう求められます。
速報の詳細は中同協ホームページをご覧下さい。
https://www.doyu.jp/research/dor/
「中小企業家しんぶん」 2022年 1月 25日号より