【特集】各同友会会員増強の取り組み~ITを活用して活動の質を変えて【東京】

 東京都はコロナ禍において緊急事態宣言など行動制限がほかの道府県よりも長期化していました。対面での会合が開催できない時期が多かったからこそ、多様な方法や切り口で、事務局が持つさまざまな情報を活用し、会員企業の事業継続を後押しする新たな活動を作り出すことが重要だと考えてきました。

 そのひとつがマーケティングツールを活用した入会対象者への継続的な情報発信です。東京同友会がシステム導入した「マーケファン」は、品川支部の会員企業、(株)マーケファン(アニール・クマール代表取締役)が提供するITシステムで、潜在的な入会対象者に情報発信を行い、その効果がリアルタイムで把握できるものです。その反応を参考に「危機突破オンラインセミナー」「オンラインビジネス交流会・ビジネスWAVE」などの企画を行ってきました。

 「危機突破オンラインセミナー」はテーマと準備作業を絞り込み、短期間で多数開催できるようにしています。登壇者は会員のみならず行政や政府系金融機関などの協力も得ています。開催はマーケファンでも告知し、その反応を常にベンチマークしています。セミナーの内容は東京同友会のYouTubeチャンネルでも配信され、東京同友会の活動の魅力を伝えるコンテンツにもなっています。

 このシステム導入によってこれまで個々の事務局員がそれぞれ行っていた入会対象者への働きかけを一括して行う体制ができました。この一連の取り組みが会員増強の一助となっています。

 同友会はこれまでにも、人手不足や金融危機など事業継続の危機に向き合い、自ら経営課題を解決し、事業継続するための活動を創造し、その経験を社会に発信してきました。事務局は、そのような同友会の歴史と理念を基礎に、活動を生み出すことができるからこそ、会員からあてにされるパートナーとなり得るのです。

 東京同友会事務局はこれからも会員にあてにされるパートナーとなれるよう、活動を生み出し、会員増強を進めていきます。

「中小企業家しんぶん」 2022年 3月 5日号より