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ロシアのウクライナ侵攻の経済影響を考えておく

 ロシアの国・地域別輸出入から日本への影響を見ておく必要があります。欧州では石油37%、天然ガス41%をロシアに依存しているので、輸出上位20カ国(表1)を見ると欧州がたしかに多く占めていますが、非制裁国の中国とインドはロシア産の石油が欧米の制裁で3割安くなっているので大幅に輸入を増やしています。米国からの輸出が大幅に減っており、その代替に中国製品の輸入をロシアが検討していることから見ても、現在地域別(表2)でロシア輸出の割合が欧州38.4%、アジアが38.3%で、輸入が欧州37.2%、アジア35.0%ですが、2022年にはいずれもアジアが1位になるのは間違いない状況です。

 現在日本にとってのロシアからの輸出入額は、2020年は輸入全体の1.8%、輸出全体の1%と数量ベースではほとんど影響はありません。また、ロシアへの輸出(構成比)は自動車(41.9%)、自動車の部分品(11.0%)、ゴム製品(5.4%)、建設用・鉱山用機械(4.8%)、原動機(4.5%)は一部企業の影響にとどまっています。ロシアからの日本への主な輸入は、液化天然ガス(21.9%)、非鉄金属(21.2%)、石炭(17.0%)、原油および粗油(16.8%)、魚介類(9.0%)であり、原油の代替に米国が応じれば軽微ですが、魚介類のうち、カニなど影響の大きいものや、肥料の原料であるカリの高騰などによる肥料不足で農業分野への影響を考えておくことです。

 原油高の影響はもちろんですが、ロシアのウクライナ侵攻によりヒマワリ油減のためパーム油の代替による増加で国内供給不足のインフレを抑える目的があります。インドネシアがパーム油の輸出を禁止した結果、今度はその代替に大豆油や菜種油などの食物油が軒並み高騰し、日本の食用油の高騰が止まらないように玉突き影響を考えておくことも必要です。今後アジアがロシアの大きな市場になることから日本の立ち位置が問われます。

「中小企業家しんぶん」 2022年 5月 25日号より

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