【中小企業基盤整備機構の施策紹介】第2回 IT導入補助金「セキュリティ対策推進枠」の創設について

 中小企業基盤整備機構(中小機構)ではIT導入補助金において、「セキュリティ対策推進枠」を新たに設け、公募要領を公開しました。申請受付開始は8月を予定しています。

 IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が生産性の向上や直面する課題に対応するためITツールを導入する際の経費の一部を補助する制度で、2017年にスタートし、これまで延べ14万者を採択してきました。

 今回、「セキュリティ対策推進枠」を創設した背景には、企業に対するサイバー攻撃が増加傾向にあり攻撃方法も多様化している中で、人材や予算の制約からセキュリティ対策が手薄な中小企業がまず狙われるケースが増えているということがあります。自社がサイバー攻撃による被害を受けた場合、その影響は顧客やサプライチェーン全体の事業活動にまで及ぶこともあり、ウイルス感染が拡大していたら数千万円を超える被害が想定された案件も確認されています。

 しかし、「何から手をつけてよいか分からない」、「セキュリティにあまりお金をかけられない」という中小企業も多いと思います。

「セキュリティ対策推進枠」は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているいずれかのサービスを導入する際に、当該サービス利用料(最大2年分)の2分の1を補助する(上限100万円)ことにより、中小企業のセキュリティ対策の強化を図ることを目的としています。「サイバーセキュリティお助け隊サービス」とは、異常の監視(見守り)やサイバー攻撃を受けた際の初動対応支援(駆け付け)、被害を受けた場合の簡易保険など、セキュリティに関する各種サービスをワンパッケージで安価に提供するサービスです。

 セキュリティ対策は後回しにされがちですが、IT導入とセットで進めることでサイバー攻撃によるリスクを低減することができます。IT導入補助金を活用して対策を進めていただきたいと思います。

IT導入補助金に関するお問い合わせ先

サービス等生産性向上IT導入支援事業 コールセンター
0570―666―424(IP電話等からのお問い合わせ先042―303―9749)
https://www.it-hojo.jp/

サイバーセキュリティお助け隊サービスの制度に関するお問い合わせ先

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
〇三―五九七八―七五〇八)
https://www.ipa.go.jp/security/otasuketai-pr/

「中小企業家しんぶん」 2022年 7月 15日号より