平和について考える~77年目の終戦記念日を迎えて

 8月15日は終戦記念日。1939年から1945年に行われた第2次世界大戦は、全世界を巻き込み、人類史上最大の戦争となりました。世界では数千万人、日本でも300万人を超える尊い命が失われました。

 第2次世界大戦の終戦から77年が経ちますが、世界各地で内戦や紛争が続いています。ロシアによるウクライナ侵攻は民間人も含めた多くの被害をもたらしています。紛争などで強制的に家を追われた難民・国内避難民は2022年5月には1億人を突破しました。

 このような状況の中、日本では平和について多くの人はどのような意識を持っているのでしょうか。日本世論調査会が行った平和に関する全国世論調査の結果から見てみたいと思います。(調査結果は東京新聞2022年7月31日、8月2日より)

 まず、「日本が今後、戦争をする可能性があると思いますか」との設問に対しては、「おおいにある」(7%)、「ある程度ある」(41%)、「あまりない」(39%)、「全くない」(13%)となっています。「おおいにある」と「ある程度ある」を合わせると48%で、2年前に比べると16ポイント上昇しています。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、戦争の可能性が日本でも高まっていると感じている人が増えていることが推察されます。

 「日本が戦争をするとすれば、最も可能性が高いとあなたが思う形はどのようなものですか」との問いに対しては、「他国に侵攻する」(0%)、「他国から侵攻を受ける」(42%)、「他国同士の戦争に巻き込まれる」(50%)となっています。

 また、「あなたは、今後10年以内で、核兵器が戦争に使われる可能性があると思いますか、思いませんか」の問いに対しては、「大いにある」(11%)、「ある程度ある」(48%)、「あまりない」(35%)、「全くない」(5%)となっており、約6割の人が核戦争の危機を感じています。

 そして「戦争を回避するために、あなたが最も重要と思うことは何ですか」の設問に対しては、「平和に向け日本が外交に力を注ぐ」(32%)、「戦争放棄を掲げた日本国憲法を順守する」(24%)、「軍備を大幅に増強し他国からの侵攻を防ぐ」(15%)、「国連の安全保障理事会が機能する」(12%)の順になっています。

 平和を守るために世界でさまざまな取り組みも続けられています。今年は核兵器削減について論議する核拡散防止条約(NPT、191カ国が加盟)再検討会議や核兵器禁止条約(66カ国・地域が批准)の第1回締約国会議も開かれています。また、核兵器廃絶や世界恒久平和の実現などを目的にした世界の地方自治体が加盟する平和首長会議は、166カ国・地域の8200都市にまで広がっています。

 私たち同友会は、第2次世界大戦を通して「中小企業は平和な社会でこそ繁栄できる」との教訓を得て、日本経済の自主的・平和的な繁栄をめざすことを3つの目的に掲げています。今、改めて平和についてそれぞれが考え、行動することが求められていると言えます。

(KS)

「中小企業家しんぶん」 2022年 8月 15日号より