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中小企業魅力発信月間セミナー 地域ブランドの確立をめざして~他社と比べない差別化【千葉】

2019年に経産省(中小企業庁)により、中小企業基本法の公布・施行日である7月20日が「中小企業の日」に制定されました。そして7月の1カ月間を「中小企業魅力発信月間」として官民で集中的に中小企業・小規模事業者に関連するイベントなどを開催する期間とされています。

千葉同友会では、7月11日にオンライン(Zoom)にて「地域ブランドの確立をめざして」というテーマで中小企業魅力発信月間セミナーを開催しました。

講師の北村森氏((株)ものめぐり代表取締役/サイバー大学IT総合学部教授)は、「日経トレンディ」編集長を経て、数々の地域おこしプロジェクトに参画しており、研究と実践の両面から触れてきたさまざまな企業の事例を紹介いただきました。

ブランドを確立する上で必ず課題になる差別化の問題。北村氏は「差別化なんてできっこない」と両断します。電化製品であれ1次産品であれ多少の差異はあれど、飽和化したこの市場で他のどことも違うものを作るなんて無理です。それを無理に差別化しようとするから小さな違いを作るのに疲弊してしまいます。

また、消費者の声を聞いて消費者のニーズに応える商品やサービスを作ることはマーケティングの基本かもしれません。しかしそれで本当に売れる商品が作れるのか。北村氏は「消費者も次に欲しい商品がどんなものか知らない」と話します。たとえ欲しい商品を言葉にできてもそれは今までの延長線のもの。本当に欲しいモノは実際に見た時に初めて「これが欲しかったんだ」と気づくものであると。一例としてレトルト商品を温めるだけの家電が上げられました。鍋も電子レンジも使わないですが、レトルト商品を温める以外には何も使えないもの。しかしこれがクラウドファンディングで2000万円以上集めて商品化後も大ヒットします。この開発の源泉は消費者調査からニーズを読み取ったなどではなく、開発者がもっと便利にできるのではという仮説を立てて、それを信じて実現したものでした。

マーケットイン(市場のニーズに沿った提供)は絶対ではありません。作り手が仮説を立てて提供するプロダクトアウト(作り手がよいと思うものを提供)の考え方が消費者も気づかないニーズを気づかせることがあります。よその商品と比べるのではなく、作り手が仮説を立ててそのよさに自信と覚悟を持つこと。これが結果的差別化になるという事例をいくつもお話しいただきました。

今回は中小企業の魅力発信ということで、地域の中小企業が輝くにはどうすればいいかという趣旨で企画されました。経営者は自社の強みは分かっていても言い切れないことが多いかもしれません。それを他社と比べるのではなく、自分自身が信じて高め貫くこと。そうした事業を続けていく上の勇気をもらえる会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2022年 9月 5日号より

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