【特集】2022組織強化・会員増強全国交流会【報告】神奈川同友会 会員数が伸びている支部の特徴と役員・事務局が一体となって過去最高会勢に!

神奈川同友会組織委員長・理事 (有)荒井電気工事代表取締役 荒井 昭貴氏

現在の会員数は全体で825名です(2022年7月末時点)。約20年前は500名にも満たない県でした。その後少しずつ伸びていきましたが、コロナ禍で一気に減りました。2019年に期首会勢が過去最多になった時に私が組織委員長に任命されましたが、コロナの影響により3カ月で約50名の退会がありました。

神奈川同友会の取り組み

多くの退会者を出している現状を変えるため、代表理事と副代表理事が中心となり、組織委員長である私をはじめ、財務委員長や総務委員長で会議を行い、理事や事務局全体が一枚岩となって会員増強への取り組みをはじめました。

まずはZoomを利用した例会づくりの強化です。会場の様子や報告者以外に誰がいるかなど、映像や音声にもこだわっています。2つ目は各支部での小グループ活動の強化です。1人で悩んでいる経営者はたくさんいますので、積極的に声をかけています。3つ目は新会員を経営指針作成部会に誘導することです。新会員はやはり悩みがあって同友会に入会します。経営指針をはじめ、委員会や部会など同友会をうまく活用している会員が増えました。4つ目は集客イベントの開催です。1月から3月に各支部で純増数を争って表彰し、賞金などを支部の活動費に充ててもらう「増強キャンペーン」というイベントを毎年行っています。5つ目は会費の未納1回で退会という条件です。結構厳しいとは思いますが、これは私が組織委員長になる前からの取り組みです。事務局から連絡をし、退会理由を聞き、もし払えなければ退会という仕組みのため、会費の未納による問題がクリアになり、このような理由で退会する方がほとんどいなくなりました。

最後にWebを取り入れた集客の強化です。具体的には、まずWeb広告に強い会員を集め、FacebookやGoogleに広告を出し、月1回のオリエンテーションに誘導しています。2021年は91名の入会者のうち20名がWebからの入会です。また、ホームページをリニューアルしました。以前の神奈川同友会のホームページはなかなか検索にヒットしませんでしたが、今では広告宣伝の影響で閲覧数も増え、ホームページからの問い合わせが増えています。

組織委員会は、Webプロジェクトチーム、仲間づくりチーム、例会づくりチームの3つで構成しています。仲間づくりは増強の「増」、例会づくりは増強の「強」です。増強は1人ではなかなかできません。各支部の副支部長に現在の組織委員や増強の取り組みを理解してもらい、各支部に落とし込んでもらっています。また、定期的に会員数を役員に公開することで、現在会員数が何名か、各支部の会員数がどうなっているかなどを情報共有して、増強の意識を高めています。

会員数が伸びている相模原支部

3年前、57名だった相模原支部は支部長が変わってから2020年度に91名になりました。全国的にコロナで会員数を減らしている時期に、純増数が12名と関東甲信越ブロックで1位になり、その後も着実に会員数を伸ばしている支部です。

なぜ会員数が増えたのか、まず支部長が掲げた支部方針「仲良くなろう」の実践にあります。やはり同友会の価値は仲間同士が経営を語れる場であるということです。そのために「仲良くなろう」という合言葉で支部活動を行ってきました。また、相模原支部は私が副支部長を務めているので、増強にはとても力を入れています。さらに「組制度」という小グループ活動や他団体からの入会、経営指針の推進にも取り組んでいます。Zoomでの例会づくりの強化も一因です。Zoomで参加してくれた方の中には一言も話さず終わってしまう人もいるので、必ず参加した人には声かけをし、一緒に参加しているという雰囲気づくりを大切にしています。

増強は県全体の取り組み

増強は委員会や支部が中心になってやっても会員数は伸びません。コロナ禍だからこそ何をしていいか分からず悩んでいる経営者はたくさんいます。同友会の活動を知ってもらえれば入会してくれると思います。

同友会運動の活性化を図り、同友会の価値を知ってもらわなければ新会員紹介の輪はつながりません。私は同友会が、同友会理念が大好きです。同友会の理念に感銘を受けた会員を増やす、それこそが一番の近道なのではないかと思います。

「中小企業家しんぶん」 2022年 10月 5日号より