中小企業の現場の声を生かすために 北海道経済部と懇談会【北海道】

 地域経済を支える中小企業の現場からの声を、今後の施策に生かしてもらおうと、北海道同友会では北海道経済部との懇談会を開催しました。

 10月20日に同友会会議室で開催されたこの懇談会は、2006年以降ほぼ毎年行われており、札幌以外での巡回開催を含めると今回で18回目となります。

 北海道からは、中島俊明経済部長、新津健次次長のほか、経済部の局長6名と課長2名が出席。同友会からは藤井幸一、池川和人代表理事のほか、遠隔支部からのオンライン参加を含め10名が出席しました。

 北海道同友会では、事前に会員へ「道への緊急要望アンケート」をWEB調査で実施。その結果を見ると、原材料・エネルギー価格高騰問題では、回答企業の3分の2は価格転嫁できていないか一部にとどまっており、難航している理由は「1度は価格転嫁に応じてもらったがその後のアップ分の交渉ができていない」という回答が最多でした。

 また、インボイスへの対応では、免税事業者の間で制度の理解と対応策の検討が圧倒的に遅れており、免税事業者からの仕入れ対応では、「取引は行わないようにする」との回答が類似分を合わせると26%になりました。

 これらの調査結果と会員の生の声をベースに、池川代表理事が問題提起を行い、北海道の取り組みや考え方を伺いました。

 北海道からは、コロナ禍における価格高騰等緊急経済対策として、中小企業支援に793億円、原材料安定供給対策に160億円、生活困窮者支援に49億円、合計で1000億円を超える関連予算を組んでおり、そのポイントが報告されました。

 同友会と北海道が連携して行っている事例では、11月に弘前大学で実施する北海道企業セミナー(学内合説)の取り組みを、道の赤塚孝行産業人材担当局長が紹介。同友会の単独事業から始まった取り組みが広がりを持ち始めています。

 予定の2時間では十分な議論ができなかったため、中島経済部長の提案で、急きょ12月に続きの意見交換を行うことが決まりました。

「中小企業家しんぶん」 2022年 11月 15日号より