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食料自給率の向上のために

 安全保障の面で防衛費増額ばかりが報道されていますが、日本の最大の危機は人口減少、次いでエネルギーと食料の危機です。

 ロシアがあれだけの経済制裁を受けても侵攻が続けられるのは、エネルギーと食料の輸出国だからです。日本は、減反政策をとって農業を保護してきましたが、農業従事者は1965年894万人から2020年136万人まで減り、カロリーベースの自給率は38%まで低下。2030年の政府目標でも45%程度(表1)なのが精いっぱいだとわかります。これでは有事に対応できません。フランスは日本と逆に、増産すればするほど補助する輸出奨励金で農業輸出大国になったのがいい例です。フランスのように増産補助を行うことも大切ですが、企業としてできることに取り組む必要があります。

 品目別自給率を見てみると多く生産しているものはありますが、出口戦略から考えると、大豆を食物工場で作る必要があります。また2022年に、コメ卸の(株)神明が米粉からチーズを本格生産するように、小麦の代替品を米粉から加工していくことなど、企業の取り組みが必要となってきます。問題は肉・卵・乳製品です。国内で約5割生産していますが、飼料自給率が25%しかないので輸入した飼料を除くと1割程度しか自給できていません(表2)。この現在75%を輸入している飼料を作り出すことが1つの道です。

 缶詰にして食品ロスを減らす工夫と同時に、食品残渣を堆肥につくり変えて牛の餌1億5,000万円に加工し、輸入肥料ゼロの国分農場(有)。海洋汚染から陸上養殖の時代を迎える時に魚のエサ開発をカギとし、近畿大学の澤田先生と組んだ「いただきますを考える会」の懐石料理「雲鶴」が、キュウリやキャベツなど野菜くずで育てる「アイゴ」を2023年から提供するなど、日本の2020年度食品ロスが522万トンあるのをせめて半分でも飼料にできれば5割以上の自給率が確保できるのです。企業で何らかの取り組みができないか、検討してみてください。

「中小企業家しんぶん」 2023年 1月 25日号より

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