中小企業の活力で、もっと元気な北海道を 
中小企業魅力発信セミナー(北海道)

北海道同友会は、7月16日に2024年度中小企業魅力発信セミナーを開催し、会場とオンラインで75名が参加しました。7月20日の「中小企業の日」、7月の「中小企業魅力発信月間」に合わせて、2012年から名称を変えながら開催。北海道同友会と中小企業基盤整備機構北海道本部、北海道中小企業団体中央会、公益財団法人北海道中小企業総合支援センターの4者共催で行われました。

基調報告では、慶應義塾大学経済学部の植田浩史教授が「中小企業憲章・中小企業振興基本条例で地域を活かす!」をテーマに講演。植田氏は、条例制定に大きな影響を与えた中小企業政策に、(1)中小企業基本法改正(1999年)、(2)中小企業憲章の閣議決定(2010年)、(3)小規模企業の重要性が明記された小規模企業基本法制定(2014年)を指摘しました。そして、「条例は未来に向けて中小企業と地域が協働して地域経済と社会をよりよくするための宣言」と提起。さらに、「憲章や条例を生かすとは、中小企業の役割・存在意義を中小企業の責任として自覚的に受け止め、自社の課題として事業やビジネスに落とし込んでいくこと。そのような中小企業を増やし、地域で中小企業を支えていく仕組みを作っていくことである」と述べ、事例として制定後に条例のバージョンアップを繰り返している愛媛県東温市と、中小企業が元気になることが震災復興であると取り組む宮城県南三陸町が紹介されました。

後半は、本田哲・北海道同友会副代表理事(本田興業社長、倶知安商工会議所副会頭)、谷一之・はまなす財団専務理事(前下川町長)、植田教授が鼎談(ていだん)しました。谷氏は、下川町の取り組み、産業振興に関わる自治体制度設計の課題や北海道各地に潜在する「地域課題」を説明し、「地域課題にビジネスチャンスがある」と提起しました。本田氏は倶知安町での実践事例を紹介し、参加者との議論を深めました。

最後に本田氏は「地域と中小企業は密接な関係です。地域をよくすることで子どもたちが永遠に住むことができる。今後も地域を意識した活動を続けましょう」と呼びかけました。

「中小企業家しんぶん」 2024年 8月 15日号より