【全国支部長インタビュー】第25回 
愛媛同友会・伊予松前支部 武田正輝支部長(恭栄自動車(株)代表取締役) 
「「減らない支部」から「増えて減らない支部」へ」

 全国の支部・地区を紹介する連載企画「全国支部長インタビュー」。第25回となる今回は、愛媛同友会・伊予松前支部(武田正輝支部長)の取り組みを紹介します。

支部の紹介

 愛媛同友会には現在、松山(第1・第2・第3地区会)、四国中央、今治、伊予松前、南予の5支部があります。伊予松前支部は2007年3月、4番目の支部として設立しました。

 現在の支部会員は72名で、支部設立以来最高の会員数。毎月の例会では、幹事が手分けして参加呼び掛けを行うなど、支部会員同士の顔が見える関係性が強みです。また、福岡同友会福岡西支部から学び、「ワンシート経営指針作成セミナー」も支部活動として実施しています。

組織経営を学ぶ

 私は大学卒業後7年間、広島同友会の事務局員として勤務していました。家業(自動車整備業)入りを決意して愛媛に戻り、2008年に理事であった父の勧めで愛媛同友会に入会。弊社の所在地は松山市ですが、父とは違う支部で経験を積ませようという配慮もあり、隣の伊予松前支部の所属となりました。

 間もなく幹事就任のお声が掛かり、せっかくやるならと真面目に関わっていると、いつの間にか幹事長、副支部長を経て、2022年度から支部長を務めています。実はそれ以前から広報情報化委員長を務めており“2足のわらじ”を履くことに。最初こそ不安がありましたが、組織経営を学ぶ機会だと前向きに捉えて挑戦することにしました。

 当時の私は、社員に頼むより自分で動く方が早いと考えがち。一方で、そんな考え方を脱却しなければ、組織経営はできないと分かってもいました。この時は自分1人で支部と委員会の全てを見ることはできないと明らかだったので、仲間に任せるという姿勢に思い切ってかじを切ることができたのです。経営者としての成長の機会をいただいたと実感しています。

仲間づくりの取り組み

 そのころの伊予松前支部に対する評価は「会員が減らない支部」でした。実際、2022年度は退会者ゼロ。しかし入会者もゼロ。例会へのゲスト参加はあるものの、クロージングが不十分でした。

 変化が起きたのは2023年度。2025年2月の全研in愛媛に向けて会勢540名を達成しようという動きの中で、組織委員に参加した支部幹事長の山崎剛さんが旗振り役となってくれたことが大きかったです。

 仲間に任せてみんなでやるという姿勢を幹事の皆さんが理解してくれて、紹介者と幹事がチームとしてゲストをフォローする体制ができました。訪問して悩みや経営課題を引き出した上で参加してもらうことで、学ぶ意欲が高まります。結果、2023年度は入会者10名、退会者2名、純増率13・1%となりました。

 大切にしているのは、同友会のよさを理解してもらい、時間がかかっても、納得して入会してもらうことです。そのためのゲストのフォローと、同友会らしいよい例会づくりにチームで取り組み続け、「増えて減らない支部」をめざします。

「中小企業家しんぶん」 2024年 9月 5日号より