6府県合同で景況調査・記者発表【中同協関西ブロック】

 中同協関西ブロック(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)は、4~6月期の景況調査を実施し、8月8日、その結果を基に合同記者発表を行いました(回答企業数:3491社)。

 冒頭、藤岡義己・中同協副会長(関西ブロック)より、「関西では事業所の99%、雇用数83%を中小企業が占めており、その実態を余すところなく取り上げたのが今回のデータです。正面から取り上げていただきたい」とあいさつがありました。

 続いて、大阪経済大学経済学部教授の下山朗氏より調査概要について報告。売上高DI値は20・8と安定的に高く、利益も10・3とプラスになっており改善されている一方で、資金繰りはマイナス10・0、人手不足はマイナス40・0、そして仕入単価57・4に比べて販売単価40・9と十分な価格転嫁ができておらず、経営環境は依然厳しいことを説明しました。

 売り上げの増加要因として、「営業力の強化・拡大」「新規販路・新分野の開拓」「販売受注価格の上昇」が高い一方で、「国内需要の拡大」が昨年比で大幅にマイナスとなりました。

 特別調査項目のインボイスについては、「業務負担の増大」が全体の5割程度を占めており、特に規模の大きい企業ほどその影響は大きく、規模の小さい企業は、これらの問題が顕在化していない可能性があることを指摘しました。

 賃上げは「実施した」「実施する」を合わせて7割強あり、昨年度を上回りましたが、値上げや価格交渉、生産性の向上などができている企業が該当し、厳しい企業は賃上げを実施できていないことが分かりました。

 大阪・関西万博の影響度については、現時点で「影響はない」「分からない」が8割を占める一方で、経済効果については、過半数の事業者が一定以上の経済効果があることを期待しており、中でも大阪が他府県と比べて高いという結果になりました。

「中小企業家しんぶん」 2024年 9月 5日号より