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シリーズ「どうなる金融〜不良債権最終処理」
「中小企業家しんぶん」2002年11月15日号より

シリーズ5

頼れる信金はどこへ

都内信金合併 (下)


 「次も融資するから短期を一括返済してくれと言われ、その通りにしたら、次の契約時に保証人を求められた」「ここ半年、書き換えの度に『返済増やさないと、手形帳や小切手帳は出さない』と言われる」。相次ぐ信金合併で、信金が広域化・大規模化し、信金らしさを失っていく中、経営者たちは悲鳴をあげています。

 都内での信金合併は王子、日興、太陽、荒川の4信金合併以外にも、多くの事例があります。

希望失う信金マン
 東京東信金(預金量1兆3400億円、店舗数99)は、1999年に東部、中央、大東、協和の4信金が合併して誕生。今年には破綻した船橋信金、永代信組の事業譲渡を受け、東京都の城東・江戸川地区から千葉県船橋市に及ぶ大規模な信金となりました。

 東京東は、合併発表時から4年間で700名の職員を削減。「辞めていった人に、信金への希望を失った優秀な融資担当者が多かった」と話すのは、もと中央にいた職員です。

 「関東大震災後の本所の復興組合がその走りであった中央は、中小企業融資中心で、優秀な融資担当者は、企業の評価力、審査役への折衝力のある人で、企業も長い目で見て育成することができ、それがやりがいでした。しかし存続金庫が個人融資中心の東部であったため、現在は融資先の選別が機械的に行われ、店ごとに日々の業務純益が追求される方式。担当者は支店長の評価次第で成績が決まる。担当者の目は顧客でなく、支店長に向いている」とも。

金利引き上げ、信金で顕著に―中同協調査
 金利引き上げ、運転資金融資のストップ、融資を預金で相殺するなどの貸しはがしの実態は、信用金庫でも明らか。9月に行われた中同協景況調査の金融問題の特別項目で、短期借入先が信金(95社)のうち、「過去1年間で金利引き上げ要請があった」とする企業が35社の36・8%に及び、都銀の33・3%を上回っています。応じた理由は「一方的通告」が15・6%と少ないものの、「融資を止められることを懸念」が40%と高く、「納得できる説明があった」の31%は、地銀43%、都銀33%より低くなっています。

 この間急激に行われている信金再編の中小企業への影響を、この数値は明確に示すものとなっています。

中同協事務局 平田美穂

調査 資料 対話 シリーズ「どうする政策金融Q&A」 シリーズ「どうなる金融〜不良債権最終処理」 シリーズ「どうなる金融〜信金再編の余波」 シリーズ「金融機関とともに地域を考える」 シリーズ「金融機関とともに東京同友会と東信協・保証協会」

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