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【05.09.14】愛知同友会の憲章学習運動に学ぶ

自社の経営課題と外部環境分析を結びつけ

 愛知同友会の憲章学習運動の取り組みについて、8月に開かれた中同協の中小企業憲章学習運動推進本部と第1回常任幹事会で、愛知同友会の福島事務局長が報告。自社の経営課題と外部環境分析を結びつけて憲章を理解する愛知同友会のやり方に学び、全国的に普及する方針で企画されたもの。


 福島事務局長は、愛知同友会の「99ビジョン」を総括して取り組んでいる「2010同友会ビジョン」で、中小企業憲章を「中小企業の未来をつくる」運動と位置づけ、強力に進めようとしている状況を、次のように報告しました。


 愛知同友会では、憲章の普及は政策委員会(19名)、中小企業振興基本条例の実現は振興条例プロジェクト(副支部長クラス5名)、県への政策要望は政策要望プロジェクト(36名)が担当し、政策協議会(9名)がそれらを束ねながら進めています。


 この間の学習を通じて、自社の経営と中小企業憲章との関係を正面から問う学習運動がある程度定式化してきました。


 進行パターンは、(1)まず理事が責任を持って学習会を実行することを前提として取り組む(2)事前に「わが業界の現状と自社の方向性、外部環境阻害要因」のレポート(資料参照)をメールで提出してもらい(3)それを事務局が一覧表に整理し(4)「憲章における自社を語る」事例報告(約30分)の報告者を事前に選ぶ(5)学習会当日は、報告に基づくグループ討論のときは、必ずレポートをまとめた一覧表をもとに自己紹介をする(6)グループ長は外部環境阻害要因に注目した議論にこだわる(経営課題の交流に終始しないように注意する)(7)レポートを出さないで学習会に参加した人も事後に必ず提出してもらうことを追求する、というパターンです。


 レポートは、現在60社分が集まっていますが、いろいろな切り口で活用できる同友会の財産となると思います。


 現時点で愛知では、17部門・11地区、650名の会員が憲章の勉強会に参加していますが、学習会はパッケージにして行っています。


 学習会パッケージは、パワーポイント「中小企業は日本の宝」(音声付25分)、「憲章・条例とは」(15分)、「事例報告」(35分)、事前提出レポート「自社経営と外部環境」、「グループ討論・グループ発表」(65分)が一式。これにより、報告者が語りっぱなしにならず、参加者の討論を引き出しながら、憲章のポイントを押さえることができます。


 愛知同友会の学習会方式に協力した大林弘道・神奈川大学教授は、経営者の皆さんがレポートを書く段階で、それまであいまいであった部分が整理され、明確になるという効果があることを指摘しています。また、このような憲章学習の経験は、外部環境を変えられない所与のものとして、その枠内で経営戦略を考えるという経営戦略論の限界を突破し、経営の内部環境と外部環境を意識し、分析しながら、外部環境は変えられるという確信を広める効果が期待できると評価しています。


 愛知同友会では、こうした学習会パッケージを活用した学習会の取り組みをさらに広げ、中小企業憲章学習運動における自社を語る運動として推進していきたいと考えています。



[愛知同友会憲章学習運動資料]

<グループ討論のためのレポート>
わが業界の現状と自社の方向性、外部環境阻害要因


*ポイント

1.自社の経営指針を実行する、その妨げとなっている外部要因は何か

2.こうした外部環境を変えるため、中小企業憲章に望むものは何か


(1)自社を取り巻く経営環境(業界の特徴・現状)


(2)自社の方向性(自社の経営指針)


(3)上記を実現していく上で、望ましい経営環境とは


(4)「中小企業憲章」に望むこと


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