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【07.04.25】中小企業振興基本条例が相次ぎ制定

【北海道帯広市】地域振興は中小企業が要〜市と経済界が一体となって条例制定

 北海道帯広市では、中小企業振興基本条例が四月一日から施行されました。

 北海道同友会帯広支部幹事会では2006年1月、全国総会などで中小企業憲章分科会に参加した成果を踏まえ、帯広での中小企業振興条例改定に向けてプロジェクトチームを発足。条例の見直しを検討していた帯広市では、「同友会が取り組むのなら、改定を一年間延期して、じっくり論議しましょう」ということになりました。

 帯広市とは、中小企業が発展することで地域経済、雇用、地域住民の福祉にどんな好影響があるかをじっくりとすりあわせました。同時に、経済界が一体となって条例改定に取り組む姿勢を示すために、帯広商工会議所の専務理事や担当職員も含めて公式学習会を四回開催しました。

 論議の中では、次の三つの課題が提起されました。(1)帯広市の条例であっても、農業を中心に周辺町村との連携が表現されなければ、制定後の地域振興ビジョンが描けない、(2)市長の責務が明確になり、さらに中小企業団体等と連携する条文が必要になる、(3)帯広市の機構改革や制定後のエンジンとなる振興会議設立の重要性、です。

 最終的に、これまであった「中小企業振興条例」を廃止して新たに「中小企業基本振興条例」を制定すること、前文で周辺町村との連携も含んだ地域振興は中小企業が要になるとし、条文で帯広市長の責務も明記。農業分野と中小企業との連携も、帯広市機構改革の中で連携室が誕生し、条例の実効性への期待が高まっています。

 今後は、7月下旬に設立予定の中小企業振興協議会(仮称)の運営と振興ビジョン作りに焦点が移ります。

【静岡県富士市】工業振興会議で条例審議〜市の危機感と同友会の運動がリンク

 静岡県富士市でも、4月1日から中小企業振興基本条例が施行されました。

 振興条例制定への動きは速いものがありました。これは、近年の工業出荷額の激減など、市内産業の地盤沈下が顕著であることから、市長が危機感をもって産業振興施策を重視する方針を打ち出したことに加え、静岡同友会富士支部会員である市議が、積極的に条例制定を推進したことです。市の危機感、会員市議の積極発議、同友会会員のバックアップがうまくリンクした成果といえます。

 富士支部では、中小企業憲章制定運動への参加から、その一環として富士市の振興条例制定に積極的に関与してきました。

 2004年から2年間にわたって市の商工農林部と懇談会を実施。商工農林部長をはじめ市担当者と意見交換を行ってきました。05年6月には、会員市議が議会へ条例制定の要請上程。制定のめどがついた06年度からは、市の工業振興ビジョンに伴って組織された工業振興会議のメンバーとなり、各商工団体、市内大企業、中小企業、大学と連携し、産学官の視点から振興条例条文について審議などを行ってきました。

 富士支部ではこの条例制定を到達点とせず、今後、条例に裏打ちされた具体的な振興施策の提言を行っていくことにしています。

富士支部長 小林修((株)ジープロシューマーズ社長)

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