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【12.08.22】足元の宝“再発見”を〜千葉同友会が憲章制定2周年記念行事【千葉】

 千葉同友会は、中小企業憲章制定2周年記念企画として、7月27日、「地域振興と中小企業の果たす役割〜足元の宝“再発見”が決め手〜」をテーマにパネルディスカッションを千葉県八千代市で行い、50名が参加しました。

 今回の憲章制定2周年記念企画は、千葉同友会の中小企業振興条例/中小企業憲章学習推進本部・政策委員会・八千代支部が共催で開催したもの。

「公共性」の問い直しが求められる時代

 初めに、県内市町村で市民協働推進、地域コミュニティのアドバイザーなどを担っている千葉大学法経学部准教授の関谷昇氏が、世界規模での社会変動が進む中にあって、「公共性」は国家・行政のみが独占するのではなく、さまざまな民間の諸団体・企業が担う時代となりつつあることを指摘した後、コーディネーターを務めて討論に移りました。

 冒頭、千葉同友会・条例/憲章推進本部長の野水俊夫氏(野水鋼業(株)社長)が、暮らしを支える上ではまず仕事があることが第1であり、そのためには雇用の8割近くを占める中小企業が元気になることが日本経済再生と地域振興の要であることなど、中小企業憲章・千葉県中小企業振興条例の意義について触れ、自社のある白井市の工業団地での地域社会との関わりや、地元白井市の(仮称)産業振興条例策定検討委員会に参加しての経験を話しました。

 続いて、香取市市民環境部・市民活動推進課課長の椎名喜予氏が、市民主導による歴史的町並みの保存や佐原祭りなどを軸においた観光振興による佐原の街づくりについて報告。さまざまな地元団体が互いに干渉しないで持ち味を生かして必要に応じて手をつなぐというスタンスを大事にしてきたことを強調しました。

隠れた地域の資産を掘り起こし

 富津市の金谷でレストランなどを経営する富洋観光開発(株)社長の鈴木裕士氏は、地元の房州石に着目し、鋸山の石切り場が貴重な学術的価値を持ち、かつ観光資源にもなることに気がつき、人口減少・高齢化の進む金谷地域の活性化に向け、若者のボランティアの力も引き出してきた経験などを話しました。

 最後に、関谷准教授が、地域のNPOなどの諸団体は企業がどういう考えを持っているのかに非常に関心があり、まず出会って知り合うことが出発点であり、一緒に行動しながら育ち合っていくこと、また行政の役割としては、結論・方向性を出すのではなく、立場が違う人が出会える「場」を作り、開かれた形でみんなが集まって決めていくことが地域づくりにとって大事であることを強調し、盛会のうちに終了しました。

 当日は、千葉県環境生活部などの行政職員も5名が参加。共に地域振興を考えていく貴重な場になりました。

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