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【13.10.21】【中小企業憲章を生かす】26 愛媛県東温市中小零細企業振興条例〜制定までの流れと今後の活用について (株)エスディー企画設計 代表取締役 篠原 治行氏(愛媛同友会理事・東温支部長)

 愛媛同友会東温支部は2007年に東温市商工会の会員を中心に発足し、支部理念を「私たちは同友会の学びを糧に、社員の笑顔を一番の宝物と考え、地域に愛される企業を創ることを目指します!」と掲げて、同友会での学びを商工会に拡げ、地域の活性化につなげていくことを活動の柱としています。

 2009年12月の支部幹事会において、鎌田事務局長より「中小企業憲章の制定進行に伴い各地で条例制定運動が同友会のメンバーを中心に行われている。愛媛県で初の条例制定に東温支部が取り組んではどうですか」と提案をいただきました。

 それを受けてまず支部役員会において、釧路市・別海町・吹田市の条例、「中小企業憲章と条例推進ハンドブック」を参考にした議論を重ね、2010年の支部活動の柱を条例制定運動といたしました。

 2010年5月の支部総会では、慶應義塾大学の植田浩史教授を招き、条例の必要性と先進事例について講演していただきました。

 その認識度を深めてもらうために、東温市長、東温市産業経済部長、市会議員、商工会長にも参加いただきました。

 そして同年9月、議会において東温市で中小企業振興条例の制定に取り組んではどうかとの提案がなされ、2013年3月の制定に向けて行政とともに条例作成に取り組むこととなりました。

 まず東温市内の事業所の現状を把握し、それを元に条例づくりに取り組むことが重要であると考え、事業者に対してアンケート調査を実施しました。

 「タウンページ」より市内全事業所1164社を対象に、調査員による訪問調査・聞き取り回収を行い、回収率73・7%、858社より回答を頂きました。

 この調査結果をベースに、条例検討委員会での条例文作成作業を開始しました。

 地域の方々にも条例を理解していただくため、区長会長、婦人会会長、PTA連合会長、学校長会長にも委員会のメンバーとして参加していただきました。

 そして、計8回の検討委員会、計10回の条例文作成の小委員会を重ね、今年の3月、条例制定の運びとなりました。

 なお、「零細企業」の文言については、アンケート調査により1〜2名で事業を行っている商店などが多数存在することが判明し、それらに従事する方々の中で「中小企業」だけでは自分たちはあてはまらないと思われることが多かったため、敢えて「中小零細企業」といたしました。

 この条例は、事業者は地域を支えるために努力する責任と自覚を持ち、行政は、地域を支えているのは中小企業であると認識しそれらを支える姿勢を明確にし、地域住民や教育機関にも協力を仰ぎながら共に地域を盛り上げていくことを理念としています。

 今後の条例の具体的施策については、円卓会議を通してわれわれから行政に提言していく事となっています。

 今後は企業変革支援プログラムを基に、条例文にある事業者の役割を果たせる経営者を目指し、行政、地域とともに東温市を日本一元気な街にしていきたいと思います。

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