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【14.01.15】【中小企業憲章を生かす】29  中小企業振興基本条例と共に歩む〜秋田同友会 常任理事・仙北地区会 地区会長 千葉 薫

 2011年9月、秋田県仙北市に産業振興基本条例が制定されました。理念型の産業振興関連条例としては、東北で初のものです。

 外部資本に依存した活性化政策を布いてきた当市でこの条例が出来たことは画期的なことですが、多くの関係者が理解し効力を発揮するには未だ至っていません。地域の企業を最優先に考えるといっても、それぞれ個性があり内容も違う小さな企業に合った施策を具体化するのは並大抵のことではありません。

 条例制定から2年が経過し、産業振興実施計画(案)の審議が始まりましたが、これは行政の責任として実施しているもので、これが施行されても市の経済が活性化することは難しいと感じています。問題はその内容ではなく、官民協同で作り上げて行くことで活きた地域経済にすることが大切だと感じています。

 条例の制定には、同友会が大きく関わりました。産業振興推進委員会にも参加しています。しかし、われわれだけが盛り上がっても上手く行くはずもありませんし、議会や行政にしても同じです。行政・企業・金融・市民・地域がそれぞれの立場で地域の目指す方向を認識し、活きた動きをしなければならないのです。

 欧州で生まれた小企業憲章のように、長い歴史に育まれてきた施策は有効であり活きています。そして地域に根付いた多くの企業を育てています。

 中小企業振興基本条例は、地域経済の理念と指針です。地域循環型経済、6次産業化など、少子高齢化、人口減少、さらに情報化に伴って地域経済の在り方が大きな転換期を迎えています。条例が絵に描いた餅にならないよう、当事者意識を持ち続けながら、条例の理念に根気強く取り組んで行くことが大切だと感じています。夢は形に出来ることを信じて、歩んで行きましょう。

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