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【17.10.04】地域の期待に応えられる 企業づくり、同友会づくり〜中小企業憲章7周年のつどいin 岩手

 中小企業憲章7周年のつどい・岩手が8月22日、盛岡市産学官連携研究センターにおいて57名の参加で行われました(=写真)。東日本大震災から2年が経過した2013年から岩手県商工会議所連合会、岩手県中小企業団体中央会、岩手県商工会連合会、岩手同友会の4団体が共同で主催し、県市町村議会議員、県内すべての行政機関にも呼びかけ毎年開催してきました。

 第1回目は大震災を経て地域の閉塞感をなんとかしたいとの切実な思いから、中小企業への理解を広げ、中小企業振興基本条例の制定をめざす趣旨でした。同友会が陸前高田商工会の協力を得て震災半年後に行った企業実態調査結果をもとに、慶応大学経済学部教授植田浩史氏が講演し、議員、行政関係者、経営者が分け隔てなくテーブルを囲み立場を超えて語り合い、新鮮な驚きがありました。また同時に憲章・条例学習会をエネルギーシフトの学習活動と並行して年間を通して行ってきました。

 こうして第2回、第3回と毎年つどいを重ねる中で地域全体の連帯が生まれ、2015年に中小企業振興基本条例、翌年には中小企業振興基本計画が岩手県で施行され、今後3年ごとに見直していくことが決められました。

 第5回目となる今年は5年前に比べ倍の24名もの県市町議員が参加しました。「激動の経済環境と中小企業の役割〜今なぜ中小企業憲章・中小企業振興基本条例なのか〜」をテーマに基調講演に立った駒澤大学経済学部教授の吉田敬一氏は、なぜ地域経済に景気回復の実感がないのかに始まり、南部鉄器の付加価値づくりや住田町の木造の仮設住宅が実現した背景など岩手県内の実例をわかりやすく挙げ、毎年の岩手同友会での同友会大学の雰囲気をそのまま再現。2時間を超える熱気あふれる地域企業論に、会場内は圧倒されました。

 続いて矢巾町企画財政課課長補佐の吉岡律司氏に、フューチャーデザインという新たな手法でどう住民参加の持続可能な町づくりをすすめているか、現場の汗と息づかいを感じる報告となりました。また、県商工労働観光部経営支援課総括課長高橋毅氏から計画の2期目の内容検討へ向けた現状についても説明があり、より具体的な議論が展開されました。

 参加した経営者からは「励まされ、そして会社は大丈夫か、ちゃんと経営できているか、と問われたように感じた」。また議員、行政職員からは「もっと企業の声を聞きたい。経営課題、地域の実状をテーブルに上げて一緒に考えたい」との声が挙がり、今後も率直に意見を語り合いたい、との希望が出されました。

 まとめに立った水戸谷完爾政策委員長からは、「どんな条件下でも継続することで、連携、連帯が生まれる。激変する環境に合わせ丁寧に語り合いを重ねる中で、共鳴者が急激に増えてきた。こうした地域の期待に応えられる企業づくり、同友会づくりが、今度は私たちに求められている」と奮起を促しました。地域での運動の広がりを実感する憲章のつどいとなりました。

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