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【18.07.17】下町町工場の挑戦! 地域と共に歩む中小企業〜中小企業憲章推進月間大勉強会【福岡】

 6月18日、浜野慶一 氏((株)浜野製作所代表取締役、東京同友会会員)を迎え、「中小企業憲章推進月間(6月)大勉強会」が開催されました。

 「中小企業憲章」が閣議決定されてから8年が経ち今回で第8回目となります。財務支局、北九州市、直方市、信用金庫など会内外から75名の参加があり、「下町 町工場の挑戦!〜地域と共に歩む中小企業〜」をテーマに勉強会を行いました。

 浜野氏の報告は2000年に起きた、もらい火によって工場を失ったことから始まりました。下町の人情あふれる方々とのつながりから、新たな工場をすぐに準備すると同時に、行政が設ける融資制度も利用しながら、再スタートを切ります。以来、一歩一歩着実にものごとを進めていきながら、緻密(ちみつ)なやりとりを行うことで周囲の方々と見事な信頼関係を築いていきます。その後は国や自治体の認定や賞なども取られ、有名大学との共同事業など挑戦的事業も展開されています。火災の時、スタッフ1人だけの会社から、「ものづくりを通じて、世の中のお困りごと、社会課題を解決する 世界から日本・浜野に 浜野経由世界行き!」という未来図まで描き、一層の飛躍をめざす浜野氏。その勢いのある発展の報告は参加者の心が躍るものでした。

 もちろん、その根っこには「『おもてなしの心』を常に持ってお客様・スタッフ・地域に感謝・還元し、夢(自己実現)と希望と誇りを持った活力ある企業をめざそう!(安定した生活の基盤をつくる場・スタッフの人生が輝ける場・充実した人生が送れる場・自分自身が成長できる場としての浜野製作所であり続けたい)」という「地域」と「スタッフ」を大切にする、経営理念がありました。

 福岡同友会は2018年度運動方針の3つの柱の1つ「地域づくり」で、「地域の力強い発展の担い手として、時代を創る『地域企業』への変革を目指して」と掲げています。グループ討論では「あなたが考える地域企業とは」というテーマのもと意見交換を行いました。このテーマは「地域企業」というものを参加者みんなで考え始めようという趣旨で決まりました。

 討論の中では、「中小企業の中小という言葉には“大”とは違うという、ネガティブなニュアンスを感じる。地域企業と呼ぶのはよい」「1社でやってもだめだ、他企業と力をあわせてやっていく」「そこに雇用と消費をつくり出せばそれだけで地域企業だ」「大小にかかわらず地域に根づき、地域を支える企業が地域企業だ」など、さまざまな意見が交わされました。

 墨田区で人情をつなぎながら事業展開をされている浜野氏の報告に参加者が刺激され、このような議論ができたと思います。そしてそれは、まず今年の福岡同友会の「地域づくり」運動の第一歩として、とても充実した勉強会になりました。

(有)abc機会社代表取締役 福岡同友会玄海支部、政策金融室長 玉井 輝大

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